放課後

放課後僕は冷夏と話をしていた。


「優斗はさ。夢とかあるの?」


「ないよ。別に」


「じゃあさ私と一緒に夢を叶えない?」


「なんでよ?」


「私は君にパンツを見せたの。それくらいできるでしょ? 恥ずかしくないでしょ?」


「なんだよ。それ」


「恥ずかしさなんか乗り越えろってことよ! 私はあなたが好き」


僕は心の中で好きっていおうか考えていた。


「僕も」


僕は勇気を出してぼそっとつぶやいた。


「私たちいい恋人になれるかもしれないね」


「急だね。でもね、うれしかった。いつだって僕は誰かにこんな存在価値のない自分を助けてほしかったんだよ」


「頑張ろうね」


「うん」


僕らは放課後また屋上にいたのだ。

とてもきれいな星が空に輝いている。

銀色の恒星が瞬いて巨大な雲が風に流れていた。


「恥ずかしかったのよ。あなたにパンツ見せるの。でもねそれくらい私がやればあなただって変わってくれると思ったの」


「そりゃあね」


僕らはキスをした。


「あなたのこと大好きよ」


「僕も」


僕は目に涙を浮かべた。僕も好きだよ。


「ねえ、これからどこにいく? カフェ? カラオケ?」


「カフェがいいな。カラオケは行ったことがないんだ」


「じゃあ一緒にカフェ行く?」


「うん!」


「その調子ね!」


彼女は無邪気に笑っていた。僕はそんな彼女のことをまるで世界のすべて見たいに愛している。

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隣のクラスのやつが破格にかわいい renovo @renovorenovo

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