第10話
「おはようアイズ」
「おはよギルティ」
俺は朝目覚めてアイズに挨拶した。
「それにしても朝早いんだな」
「|朝稽古(あさげいこ)があるからね」
「偉いな。まぁ俺もだけどな」
「そう。いってらっしゃい」
「ああ行ってくる」
俺は闘技場に向かっていた。
前世では怠惰なる生活を送ってた俺が早起きして汗を流すなんてな。
「よく来たね」
闘技場に来るとなんか黄色髪のめちゃくちゃかっこいい青年がいた?
「誰ですか?」
なんか分からないから聞いてみた。
「誰って酷いな。まぁ自己紹介もしてないしね。僕はヘルシャフト・ジーニアスだ。皆からは『魔帝』と呼ばれている」
「えぇぇぇぇ!お前が魔帝か!!」
マジか。剣聖があれだから魔帝ロリっ子だと思ってた。
「うん。敬語は要らないからね。」
「分かったよ。俺はギルティだ。よろくしヘルシャフト」
「ああ。これから2週間で君に魔法を教えるよ」
「え?魔法って俺でも使えるの?」
「おや?まぁ無理もないか。王様が君は記憶喪失だって言ってたからな。説明しよう。ギルティはスキルの存在は知っているか?」
「ああ。知ってるよ。俺でも使えるからな」
「そう。スキルは皆が持ってる自分だけの技。スキルと自分は一心同体だと思っていいよ。だけど魔法は自分の適正ってものがあって、それに当てはまるとそれが使えるんだ」
「へぇー。そうなのか?ヘルシャフトは何の適正なんだ?」
「僕のスキルはね特殊で魔法適正って言うんだ。全部の魔法が適正なんだ。更にそれを改造して新しい魔法を作る事も出来る」
「それってチートじゃね?」
「なんのことだい?」
「何でもねーよ。それでお前は何歳なんだ?」
「18だよ」
「同い年とかめっちゃムカつくわ。それにイケメンとかまじしねよ」
「酷いな。それにイケメンは君も同じだろ」
「この顔は俺のしょうが無い力のせいだよ」
まぁ色欲だから女の子の求める様な顔になるのは事実だけどな。
「それで俺にはまず何をやればいいんだ?」
「これに触ってくれ」
水晶玉のような魔道具があった。
「なんだこれは?」
「魔法適正を調べる魔道具だ。まずは魔法の説明をするね。魔法には
『火』『水』『風』『土』『光』『闇』属性があってね。この魔道具に触ると、それぞれの色に光って分かるんだ」
「へぇー便利だなまずはヘルシャフトが触ってくれ」
「いいよ」
ヘルシャフトが触ると凄い虹色に光り出した。
「やめてくれ。もういいから」
「まぁ僕が触るとこんな感じだね。」
「太陽がもう一つ出来たかと思ったわ!!」
「まぁこれ以上喋ったてたら練習する時間が無くなっちゃうからね早いとこ触ってくれ」
「おう!」
俺が触るとめちゃくちゃ白く光った。
「この魔力量と光は...凄いなギルティ。君は『神龍』が得意としていた魔法。『無属性』の適正だ。」
「無属性魔法?」
「そうだ。これは魔法の天敵と言われていてな。相手の魔法陣をかき消すんだ。」
「マジで?」
「ああ。まじだ。君は凄いよ」
来たー。俺の異世界生活初の
俺TUEEEEだ。
「やり方は?」
「まずは僕が魔法陣を作るから」
そう言うとヘルシャフトの手に魔法陣が出てきた。
「これを消すイメージでやって見てくれ。済まないね。僕にもこれは適正が無いからいいアドバイスができない」
「いいってことよ」
俺は頭の中であの魔法陣を消すイメージでやってみた。
『パリンッ』
「おお!出来た!」
「凄いじゃないか。ギルティ」
「あんがとな」
「うん。でももう僕には教えることは何も無い。だから実戦形式でやろと思う」
「でも良いのか?俺の魔法は...「構わない」え?」
言いかけたところで言葉が合わさった。
「僕はこれでも魔帝と呼ばれている。この国随一の魔法使いだ。僕はどんな不利な状況でもこのプライドに掛けて絶対に逃げることはない!」
「...そうかならやるよ」
カッコよすぎるだろ。まじで憧れるわ。俺が女だったらもう落ちてるところだよ?
「剣は使って貰って構わない」
「そうか」
「じゃコインが落ちたらスタートだ」
「おうよ」
そう言うとヘルシャフトはコインを投げた。
『カキンッ!』
「どんな魔法でもけしてやる!ってマジか」
「君にこれを消せるかな?」
ヘルシャフトの後ろに数百個はあるであろう魔法陣が展開されていた。
俺は一つ一つ消していった。
「チェックメイトだ」
「俺の負けだな。」
「うん。これからも毎日これを消せるように練習だな」
「ああ。あとヘルシャフトとはいい友達になれそうで良かった。」
「そうだな。ギルティよろしく頼む」
「ああ。じゃあ今日はこれで時間だな」
「ああ。また明後日くるよ」
午後は|スキル(権能)の練習だ。凄い上達していて使ったらもう剣聖と互角以上に戦えるであろう。
自分の力になると思うと練習も悪くないと最近は思うようになった。
「ただいま〜」
「おかえり。ギルティ今日もいっぱいご飯を用意しといたわよ」
「ありがとう。助かるよ。このお礼はいつか必ず」
「ううん。いいよそんなの」
「でも...」
「私は丁度話し相手が欲しかったからね」
「そうか」
「じゃあ、ご飯食べましょ。」
「おう」
こうしてると何だか楽しくて家族っていいなって思うようになった。
もし、もしも元の世界に帰ることがあったら、ちゃんと話して、理解してもらって。いい関係を築きたいな。
こうして俺の勤勉たる生活の二日目が終わるのだった。
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