第15話

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僕が予想もしていない力がはっきされる事があって、ちょくちょく「こりゃ、要らね~」とか思ってしまったりする。


でも、上手く使えば何だか役に立ちそうなのもあった。


「…………ねえ、トーナさん?聞いてくれてる?」


「え?何が?」


僕は、トーナさんが作ってくれたお菓子をつまみながら作業中のトーナさんに絡んでいた。


「あんたねぇ、仕事中の人邪魔して楽しい?」


背中から可愛らしい声が聞こえてきた。


せっかく可愛らしい声なのに、中身は僕の気持ちをぶっ刺してくる。


「…………それじゃあ、サキちゃんが話聞いてくれるの?」


僕はダメ元でそう訊ねてみた。


だって、こういう話ができる人が全く居なくて鬱憤が溜まってるんだ。


「…………良いけど。」


それはため息混じりに仕方なくという感じだったが、それでも良かった。


「ありがと!サキちゃん!」


僕は思わずサキちゃんの両手を握り締める。


すると、手を振り払われてすんごく睨まれてしまった。


「さっさと話して。そうじゃなかったら、ここの絶景ツアーに参加でもしてこい。」


サキちゃんのこのどぎつい感じは、彼女の素だと言う。


僕としては、こんだけどぎつかったら友達がいないだろうから自分が友達になってやらねばという妙な使命感を持っていた。


「…………サキちゃんってさ、いったい何処に住んでるの?」


「聞いてどうする?覗きにでも来るの?」


「そんな事しないし!近くだったら、あっちでも会って喋れるなぁって思って。」


「何でお前なんかと、必要以外で会わなきゃいけないんだ?」


「そんな意地悪な言い方しなくても良いじゃないか。じゃあ、連絡先とか教えてよ?」


「…………ナンパは良いから、トーナさんに話そうとしてたことだけ聞いてやるから話してご覧?」


すごく声を低めて言われて、サキちゃんがすごく怒っていることが分かった。


「もしかして、男の人とか苦手?」


僕は、からかうような口調で言ってみた。


「はぁ?あんまり人をからかうと、話聞くのは拒否させてもらうよ。」


「あ、ごめんごめん!実はね、自分に付けられた機能全然知らないから日々「これも付けられた機能なのかな?」みたいな驚きに溢れてるんだけど、正直日常生活で要らないなと思うような機能があったりして…………まあ、上手く使えば役に立つんだろうけど。サキちゃんは、改造されて付けられた機能活用してる?」


「…………トーナさん、もしかしてこの人に改造の目的とか全然説明してないの?」


「え?いや?…………したと思うんだけどなぁ。覚えてないや。」


何ともアバウトな返事にサキちゃんが頭を押さえた。


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