Tips:王都イシュタンバイン


 王都イシュタンバインは、ウルカシュヴァラ王国の首都である。人口は約3万人。

 はるか昔に魔法の体系とそれを駆使した文明の基礎を築き上げた始祖アウラの生まれた地として、アウラを女神とする宗教「アウラ教」が誕生した、同宗教の総本山である。

 ゲオルク・フォン・ザイチンガー・ウルカシュヴァラを国王とする政府とアウラ教会によって統治され、日常のあらゆる場面に魔法技術を使った生活様式が根付いている城下街である。


 ウルカシュヴァラ王城とアウラ大教会の存在する区域を中心に同心円状に広がる街で、中央区、北区、東区、南区、西区の五つの地域に区分される。

 中央区には王城と大教会をはじめとする政府機関のほかに王立の図書館や魔法研究所、魔導師養成所や学校などがあり、貴族階級の家系のための生活特区でもある。

 また市民格差も大きく、貴族たちが豪華な屋敷に暮らす一方で、貧民区では浮浪者やならず者たちが屯し、奴隷商も存在する。街の北部や南東部には農業地区が広がり、小麦や芋類、その他野菜類、綿花などが栽培されている。

 

 魔物の侵入を防ぐために街全体が10mほどの壁で囲まれており、四方にある門が街への主な入り口となる。南西部の一部は海に面しているが、基本的には貿易港や軍港、漁港としてのみ使われているため、一般市民は立ち入ることができない。

 王政府とアウラ教会はそれぞれ軍隊を所有しており、剣術や武術、弓術などに特化した国王軍と魔法に特化した教会軍はそれぞれ相互扶助の関係にある。

 

 ウルカシュヴァラ王国全体に言えることだが、魔法技術を駆使した文明が発展しており、国民たちは幼い頃より魔法の使い方を学ぶことができる。そのため一家全員が魔法使いであるということもざらであり、魔法で料理のための火を賄ったり、生活水を確保したりするなど、魔法を使った生活のインフラが存在する。

 ただし、学校に通うことができるのは中流階級以上の家系に限られるため、奴隷を含む小市民以下の人間は魔法を使えず、文字も読めないことが多い。


 名産品は衣服や生地、装飾品などであり、国内のファッションの流行を作り出す街である。アウラ教の総本山として毎年優秀な魔法使いが生まれ、また国内の魔法使いたちがこぞって街を訪れるため、魔導書や杖などの魔装具や冒険者のためのローブや手袋などを取り扱うお店もたくさん存在する。

 セシリアの住むベルンシュタイン家の屋敷は中央区の南寄りにある貴族街に位置する。

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