第2話 高円寺ゆりかでございます。
みなさん、ごきげんよう。
ただいま、生後半年。
絶賛愛嬌振りまき中でございます。
目下の目標は、ハイハイとお嬢様言葉の習得です。
ようやくずり這いができるようになって周囲の状況が把握できるようになりましたので、一先ず報告を。
―――――――――――
生まれて数日して、自分の名前を知りました。
私のことをみんな、ゆりかと呼びます。
私の周りにはママと自分のことを呼ぶ女性がいます。
パパとも呼ぶ男性がいます。
これが両親のようです。
そしてたまに乱暴に抱っこしたり、私の手を握ってみたり、頰を突いてみたり、鼻をつまむクソガキがいます。
どうやら兄のようです。
自分ことをお兄様と呼べと言っています。
でも、どうもこの家、私の知る一般家庭と違う気がします。
病院から退院し家に戻ったら、使用人らしき人たちが何人もいて、入れ代わり立ち代わり私を見にきました。
使用人たちは私をお嬢様と呼びます。
ママはアール・デコ調のお部屋のソファでルイボスティーを優雅に飲んでいます。
ママとパパの寝室は天蓋付きベッドがあってまるでお城の一室みたいです。
私の記憶にある暮らしとは大違いです。
どうやら私、お嬢様に生まれ変わったようです。
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