九月一日

「死にたい」という言葉２

　　「生きていればいいことがある」

　　「生きていれば希望はある」

　　「生きていればたくさんの可能性がある」

　　未来の可能性とか

　　いつか叶う希望とか

　　どこかにある幸福とか

　　そんな言葉を並べられたって

　　曖昧で

　　あるかどうかも分からない

　　そんなもの信じられない

　　そんなものを信じられるなら

　　「死にたい」なんて

　　思うはずない

　　僕が欲しいのは

　　確かな「今」なんだよ

　　「今」苦しくて

　　「今」息ができなくて

　　「今」消えてしまいたくて

　　「今」壊れてしまいそうな

　　僕を

　　誰か、見つけてよ

　　聞こえないかもしれない

　　だけど

　　叫んでるんだ

　　見えないかもしれない

　　だけど

　　あなたの手に縋ってるんだ

　　だから

　　聞いてよ

　　その手を振り払わないでよ

　　僕が欲しいのは

　　「未来」とか「希望」とか

　　そんなきれいな言葉じゃなくて

　　「今」

　　あなたの前で

　　動けなくなっている

　　だけど確かにここにいる

　　僕という人間に

　　少しでもいいから

　　目を向けて

　　僕という人間を見ないまま

　　きれいな言葉で片付けないで

　　僕の

　　泥だらけの気持ちを

　　受け止めてよ