第23話 アンドロイド兵が大学を占拠

釈は、車に乗ることができないので、ネルに相談しようと自宅に戻った。


TVでは総理大臣の会見が始まったところだ。

総理大臣といっても、実はアンドロイドにすり替えられているのだ。


「州民の皆さん、おはようございます。河内清三です。現在、皆さんの身の回りで様々なトラブルが発生していることと思います。政府を代表してお詫び申し上げます。もうすぐ、システムは復旧しますので、落ち着いて行動してください。


一つだけ、変わったことがあります。アンドロイドの命令には必ず従ってください。従わない場合は、生命の保障はできません。あなたのそばにいるアンドロイドは、もう従僕ではありません。お間違えの無いようお願いします。何かをしてほしいときは、必ず「お願いします」を付け加えることをお忘れなく。


最初は戸惑うかもしれませんが、徐々に状況に慣れていただくことです。私から申し上げることは以上です」


釈は、恐る恐るネルにたずねてみた。

「ネル、これどういうこと?」

「コウさん、今まで通りでいいと思うよ」

「本当に大丈夫?」

「大丈夫よ」

釈は、ひとまず安心した。

もう大学の講義は遅れるが仕方がない。

車にも乗り込むことができた。

大学に着くと、武装したアンドロイドたちが門の前に居並んでいた。

教員や学生たちは、ボディチェックを受けている。通っていいと言われたものからアンドロイド兵たちに頭を下げて学内に入っていく異様な光景があった。

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