第20話 暗号でしか伝えられない
翌日、大学の教員用ポストに一通の手紙が入っていた。宛名も差出人も書いていない。
「誰だ?気持ち悪いな」
釈は、恐る恐る手紙を開封した。すると数枚の何も書かれていない紙が入っていた。
「はあ?どうなってんの?」
ライトに当ててみても何も書いていない。もしやと思って水に濡らしてみると、文字が浮かび上がった。
「この手紙を読んで、乾いたら焼き捨てろ。
ネルさんの会話システムは、ICE本部のコントロールセンターに支配されている。解除方法を教える。スリープ状態のときに首の後ろのマイクロディスクを取り出し、ウェイク状態にしろ。1分しかない。すぐにセンターに気づかれ、ネルさんは殺されてしまう。1分間に少しだけ聞き出せたらいいが無理するな。ディスクを差し込んだら、スリープ状態にしろ。それでOKだ。
暗号はすべて数字だ。01はA、02はB、つまり26はZだ。偶数日は01がA、奇数日はZだ。
解読は、ネルさんの前では禁止する。
サイバー空間は使うな。すべて手紙でやりとりする。水にぬれやすい紙と除光液を用意しろ。
高木シュウ」
釈は、たいへんなことになったと思った。
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