第21話 アンドロイドに情報が管理されている
釈は、シュウに宛てて手紙を書いた。言われた通り、除光液をつかって数字を書いていく。書いていても何も見えないので、普通に文字を書く時の3倍は時間を要する。
文面は、すべて暗号で書かなければならない。偶数日なので、01がA、26がZだ。
「08 05 12 12 15 19 08 21
Hello Shu(やあ、シュウ)
I got it out of her(彼女から聞き出した)
We are murdered when I defy androids(アンドロイドに逆らうと殺される)」
翌日、教員ポストにまた無記名の手紙が入っていた。奇数日なので、アルファベット番号が逆になる。
「Hello Koh ,(やあ、コウ)
Just as I suspected.(やっぱり、そうだったか)
By the way,in the government,that says to nothing,is strange.(ところで、政府は何も言ってこないが、おかしいな)」
釈は、たしかにおかしいと思った。もしかしたら、もうアンドロイドの手に落ちているんじゃないかという不安がよぎった。
あらゆる情報が、とりたてて何事もなかったかのように伝えられていく。事件も事故も災害も起きない、その情報は正しいのだろうか。世界のニュースも何事も変わったことのないものばかりだ。
ネルにいやがらせをした男が自殺したとニュースでやっていたというが、それはネルに知らせるだけのニュースだったのではないか。
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