#S-3 スクリプトキディ 「スクリプトキディ」
2019/04/15「miracle-buy.com.my」
スマートフォンを取り出し、検索エンジンで「ミラクルバイ」と検索してみる。
ネット上になにか情報があるかも知れないと思ったけれど、結果は空振りだった。
外国人ばかりっぽかったけれど、日本に来たばっかりなんだろうか・・・
「あっ」
それなら英語で調べればいいのか。
忘れがちだけれど、インターネットは海外へ繋がってるうえに検索エンジンは基本的に海外のサービスなわけで、英語で調べれば日本以外の情報も出てくる。
念の為、和英辞書アプリでミラクルの綴を調べて、「Miracle Buy」と検索し直す。
1番上位に海外の通販サイトが表示された。
一瞬だけ考えるも、タップしてサイトを開いた。
URLバーには"miracle-buy.com.my"と表示されている。
.myっていうのはなかなかすごいと思っていたら、日本で最後に.jpでつくようにマレーシアのサイトでよく使われるものらしい。
変な勘違いして申し訳ない、マレーシア人・・・
1990年代感を彷彿とさせる、化石みたいなデザインのWebサイト。
取り扱っているのはマレーシアの伝統工芸品であるらしい服とか雑貨とか。
一応右上に英語とマレーシア語の切り替えボタンが有る。
とはいえトップページの新着商品欄には最近の日付が表示されているし、今でも普通に利用されている現役のネットショップなのだろう。
実は本当にミラクルバイ、日本進出のためのアンケートを取っているのでは・・・
と思ったけれど、サイト右上の方に in Malaysia Only って書いてあるから絶対嘘だろう。日本語のページはないし。なんで英語版があるのかはよくわからないけれど。
どちらかと言うと、誰かがミラクルバイを騙っているのだろう。
常に左上に表示されるロゴマークと凝ったフォントのMiracle Buyの文字が、先程の女性のベストに印刷されていたのと同じものだ。
念の為、本当に日本進出を計画しているか問い合わせてみようと思ったけれど、問い合わせ先のメールアドレスがサイト内のどこにも書いていない。
問い合わせフォームは設置されているみたいだからあとで英語で問い合わせてみよう。
画面を消すと、スマートホンを学生服のポケットにしまった。
そうこう思案しているうちに自宅のマンションへたどり着く。
オートロックの入口のドアを、入り口のインターホンに鍵を差し込み開ける。
「こんにちは」
「こんばんは」
降りてきたおばさんと挨拶をかわし、エレベーターへ乗り込み自宅のある7階へ。
2つの鍵を開けてまだ誰も帰ってきていな家の中に入る。
「ただいま」
自分の部屋で制服から部屋着に着替えると、PCの電源ボタンを押した。
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