第43話 呂布の最後

呂布は群雄として再起するために劉備と戦う事を決意。手始めに徐州を攻略することに。呂布軍は献帝から与えられた下邳から徐々に周辺の城を制圧。劉備の本拠とする彭城に少しづつ近づいていた。


徐州 呂布軍 駐屯地


「次に攻める城は?」


「臧覇という将が守る城で此処を落とせば次は彭城です」


「かなり厳しい戦になるでしょう」


「援軍が来る前に落としたいが」


「そろそろ劉備軍本隊が大きく動くはず」


そして呂布軍は臧覇の守る城に攻め込んだ。


「こんな城さっさと攻め落とせ!」


果敢に攻める呂布軍だが臧覇軍は必至の抵抗を見せる。

そこに劉備軍の増援の知らせが届く。


「砂塵を確認。劉備軍の援軍が来ます」


だが臧覇の援軍に来たのは一部だけだった。


「ちょっと待て?他の部隊は?」


「我等には目もくれず」


「クソッ。奪われた城を取り返すつもりか」


「それだけじゃない。急いで追わないと我々は退路を断たれるぞ」


攻城戦に苦戦する呂布軍に更なる凶報が


「下邳の高順殿から伝令。陳登軍の急襲を受けたために救援を求むと」


「報告 多数の城が劉備軍の攻撃を受けています」


「クソッ 複数の城を同時に攻撃か」


「アレだけの数で攻められてはどこの城ももたないだろう」


「撤退しましょう。これ以上の戦は無意味です」


「チッ!分かった。殿は俺がしてやる」


こうして呂布軍は臧覇の守る城を諦め、撤退を開始。当然、臧覇は城を出て紀霊と合流し共に追撃を始める。呂布軍はこの戦で制圧した徐州の下邳以外の城を奪い返されてしまう。更に下邳城は劉備軍に包囲されてしまう。


徐州 下邳城 


「クソッ また一度の敗北でここまで追い込まれるとは」


「しかし、この下邳城を守れただけでも奇跡だな」


「その気になれば、この城も落とせるだろに」


「すぐにでも落とさなかったことを後悔させてやる」


だが呂布軍はいつまで経っても包囲を解く事が出来なかった。

劉備軍は城を攻撃する素振りを見せず、呂布軍から仕掛けても被害が多いのは

呂布軍の方だった。また、この様なことが続いているため、将兵の士気も上がらない。


そして、そんな呂布軍に更なる追い打ちを掛ける出来事が。

下邳城が水攻めにあってしまう。


「さぁ 此処でけりを付けましょう」


「全軍突撃せよ」


劉備の号令の下、一気に下邳城に兵士がなだれ込む。


呂布軍は必死に抵抗したが城は落ち呂布を含めた大将たちは捕らわれた。


徐州 彭城


「劉備殿 少し縄を緩めてはもらえないだろうか」


「それはできんな。緩めたところを襲われるかもしれん」


「劉備殿 私を使ってみませんか」


「呂布殿 いい加減にしてください。我等、敗者に選択の余地はありません」


「チッ・・・」


「呂布の首を刎ねよ」


そして呂布の首が落ちた。


「さて、次は陳宮殿 貴方の処遇ですが」


「首を刎ねて頂きたい。私はもう誰にも使える気はありません」


「・・・そうですか。残念ですね。では趙雲殿。陳宮殿を濮陽の曹操殿の元へ」


「もう奴の顔を見る事は無いと思ったが、随分残酷な事をしてくれる」


「私は劉備殿に敵意を見せる者は許しません。最後は貴方の嫌いな曹操殿に看取ってもらうとよいでしょう」


こうして陳宮は濮陽に送られた。


「さて、残るは呂布軍の大将の方々ですが、私は彼らを迎える事が最善かと」


「そうだな。元々我等の目的は呂布の首一つ。出来れば残ったお前達には、

私に協力してもらいのだが」


「分かりました。ご協力させていただきます」


劉備の頼みに多くの将が賛成、高順などは渋ったが最後には協力を誓った。

こうして劉備は呂布を討ち、徐州を守り、また勇猛果敢な呂布軍の将兵を傘下に加えた。













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る