第41話 再起するために

袁術は突如、帝を僭称した。これに対し劉備・曹操・袁紹・呂布・孫策が偽帝袁術討伐に乗り出した。


揚州 寿春城


「ご報告。劉備等が連合して寿春に攻め寄せて参ります」


「全軍。戦の準備をせよ。この戦に勝ち、朕の正しさを証明するのだ」


袁術の号令の下 袁術軍は連合軍に戦いを挑む。


しかし、結果は当然の如く連合軍の勝利。袁術軍は崩壊。多くの将兵が降伏。


劉備軍に紀霊。曹操軍に張勲。呂布軍に楊奉・韓暹が降伏。橋蕤・李豊・梁網・楽就は乱戦の中で討ち死に。そして袁術は孫策軍によって捕らわれ洛陽で処断された。


「さて愚かな偽帝袁術は滅んだ。だがこれから袁術が支配していた寿春一帯を誰が治めるかだ」


この曹操の問いに劉備は孫策を推す


「武功から見ても孫策殿が宜しいでしょう。私と曹操殿は洛陽の復興に忙しい」


「私で良ければお受けしましょう」


「ならば、寿春は今後、孫策殿にお任せしょう」


会議後 曹操陣営


「まさか劉備が孫策に寿春を任せるとは」


「領地拡大より先にやることがあるのでしょう」


「まぁ劉備と袁紹の領地拡大を阻んだだけでも良いのでは」


「しかし、奴を調子付かせるのは」


「孫策が中原に出るのはまだ先だろう」


「それに最初にぶつかるのは荊州の劉表でしょう」


「成程、親の仇か」


「荊州と言えば張繍はどうします?」


「確かに奴の事も気に掛けるべきか」


会議後 孫策陣営


「寿春は手に入れたが、まさか、援助がないとは」


「曹操も劉備も我々がどう対処するのかを見たいのだろう」


「寿春の民は袁術の悪政の為に我等を信用はしないだろうな」


「民心を得られなければ後で厄介な事になる」


「信用を手に入れるなら施しを行えばいい」


「しかし、兵糧の当てはあるのか?」


「私の知り合いに魯粛という者がいる。彼ならば兵糧を手配してくれる」


「後は袁術軍の残党をどうするかだな」


「元袁術配下の劉勲か。あの兵力も我等の物としたい」


会議後 劉備陣営


「寿春を孫策に任せて大丈夫なのか?」


「孫策は必ず中原に進出するでしょう。寿春から徐州に攻め込むのは明白です」


「それはまだ、先の話。我々には今の内に片付ける問題があるでしょう」


「呂布のことか」


会議後 呂布陣営


「結局 我々が手に入れたのは兵士たちだけか」


「しかし、今の兵力なら、まともな戦ができよう」


「誰とやる気だ。どこも今の我々より多くの兵を従えているというのに」


「それに長期戦になれば確実に負ける」


「何故です?」


「兵は増えたが、その分、兵糧の減りも早くなった。既に下邳の徴収だけでは賄いきれない」


「このままではいずれ兵糧が」


「どうなされますか?呂布殿」


「決まっている。劉備を討ち、徐州と豫州を取る」


「相手は大軍。我等の腕の見せどころか」


遂に劉備軍と呂布軍がぶつかる事になる。




















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