第37話 新体制
幼い頃、董卓に洛陽から連れ出された献帝は劉備等の協力を得て洛陽に戻って来る事が出来た。献帝はひと段落着くと協力者を称え新たな役職に任じた。
「誠に其方達の働きに助けられた 礼を言うぞ」
「長年、董卓や李傕・郭汜の手から帝を御救い出来なかった我々には過ぎたお言葉」
「過去の事は気にするな。これからも朕に尽くしてくれれば良い」
「勿論でございます」
「しかし、今の漢室の信用は董卓たちの暴政で地に落ちた。今後はこの様な事のない様にしなくてはならん」
「その通りです」
「まずは民の為に良き政を行わねばならぬ。それが出来る者はいるか」
「劉備殿は如何でしょう。徐州・豫州を治め、民の信頼も厚い御方です」
しかし、劉備は辞退し
「私は只、親の地盤を引き継いだだけです。それに対し、曹操殿は荒れた兗州を一から立て直す程の行政手腕をお持ちです。また、兗州は徐州・豫州より洛陽からも近く不足の事態にも直ぐに対処できましょう」
「ならば曹操を丞相とする。今後、政は全てお前に任せる」
「畏まりました」
「そして、皇淑には大司馬として軍事の全てを任せたい」
「お任せ下さい」
そして、北の鮮卑や烏桓からの侵攻を防ぐ鎮北将軍に袁紹。涼州牧に馬騰。西の羌族や氐族からの侵攻を防ぐ鎮西将軍に韓遂。東を守る鎮東将軍に呂布。楊奉を大将軍。韓暹を驃騎将軍。董承を車騎将軍にそれぞれ任命した。その他、南の袁術・孫策・荊州の張繍・劉表・益州の劉璋・漢中の張魯達には漢王朝に帰順を示し次第、役職を与える事にした。
任命後 献帝と董承
「皆はあの役職に不満はないだろうか」
「不満に思う者は野心ある者と云う事です」
「お前は曹操を警戒していたが」
「まさか、劉備が彼を推すとは。奴を中央政治に参加させるのは危険ですが有能なのも事実。それに常に監視できると思えば」
「皇淑に軍事を一任したが、何処まで信用できるか」
「曹操や他の者に任せるよりは安全でしょう」
「もう、私は誰も信用できん。お前も含めて」
「それはそうでしょうね。これから、陛下が相手にするのは董卓達より狡賢い相手ですから」
拝命後 曹操軍
「まさか丞相とは」
「ですが中央に入りこめました」
「軍権を取れなかったのは痛いな」
「此方が誰かの討伐提案をしても彼に却下されれば終わりですからね」
拝命後 呂布軍
「クソッ 結局、領地は貰えずか」
「ですが、今の兵数では何処か領地を貰えても、直ぐに落とされますよ」
「当面は兵士を集める事が重要事項か」
拝命後 劉備軍
「軍権を握る事が出来ましたね」
「これからが大変だぞ」
ここから新たな争いが始まる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます