第34話 受け入れの条件
兗州の曹操に敗れた呂布を受け入れる事を決めた劉備軍。受け入れる体制を整え呂布軍が来るのを待つ。
「視えました。左右に趙雲将軍と臧覇将軍、そして中央に呂布軍の軍旗を確認」
徐州 彭城 城外
「お待ちしておりました 呂布殿」
「これは劉備殿 自らお出迎えとは痛み入る」
「狭い処であるが傷が癒えるまで御寛ぎ下さい」
だが、呂布が城に入ろうとすると荀彧に呼び止められた
「失礼ですが呂布殿に入って頂く城は彭城ではありませんよ」
「何? どういう事だ。我等を受け入れるのだろう」
「勿論です。しかし、貴殿等の軍をこの彭城だけで受け入れられないのです」
「ではどうする?」
「徐州・豫州にある幾つかの城に分かれていただきます」
呂布の受け入れに関しては流石の荀彧も反対だった。しかし、劉備は一度決めた事は覆さないので幾つかの条件付きで賛成した。その一つが呂布を彭城に入れない事。こうする事で玄徳の安全確保が簡単になる。
「良いだろう 好きにしろ」
「また、誰がどの城に入るかは此方で決めさせていただく」
「俺は何処の城に入ればいい」
「呂布殿は小沛の城をご自由にお使い下さい」
「お待ちください 荀彧殿 小沛には私が」
提案したのは陳宮だが当然、荀彧は拒否した。呂布軍に主導権を握らせないためだ。兗州に近い小沛に呂布を入れる事でいつ曹操軍に攻められるか不安を煽る事ができる。また、小沛は小城で曹操軍に攻め落されても余り困る場所ではない。
「その他の方々は宴の後、お知らせします」
そして宴が始まる。この日は珍しく無類の酒好きの張飛が一滴も飲まなかった。
「さて、これから呂布軍の方々には徐州・豫州に住まわれる訳ですが、徐州・豫州に住んでいただくのですが、幾つか注意しておいて欲しい事があります」
荀彧の話した注意点は以下の通り
「徐州・豫州に住む民に対し暴力・窃盗などの犯罪行為を犯した者は死罪」
「呂布軍の将・兵士は許可なく城の宝物庫・兵糧庫・武器庫の立ち入りを禁止する」
「これらが守れない場合は即刻この地を出て行ってもらいます」
「分かった。兵士たちには私から言い聞かせておこう」
こうして呂布軍は劉備軍の庇護下に入った
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