第32話 次の居場所
豫州侵攻中に呂布の侵攻を受け兗州の大半を落とされてしまった曹操。急ぎ豫州から戻り、領地を取り戻そうとまず最初に濮陽城を攻めたが落とせず、更に旱魃やイナゴの大量発生で散々だった。だが曹操はその位では諦めず軍勢を整え再度、兗州奪還の行動を開始した。曹操軍はまず最初に定陶で呂布に味方している呉質を攻めたのだが
「中々 落ちんな」
「報告 呂布軍本隊 定陶に接近中」
「まずい このままでは挟み撃ちだ」
「攻撃を中止して呂布に備えろ」
「此処で勝てねば終わりだ。皆の者死力をつくせ!」
曹操軍は城の包囲を解いて呂布に備えた。呂布軍は到着後即座に曹操軍を攻撃。しかし、曹操軍の猛攻の前に撤退を余儀なくされ、定陶を失う。ここから曹操軍の反撃が始まる。鉅野を攻め、呂布軍の将・薛蘭・李封を討ち、救援に来た呂布軍も敗走させる。怒った呂布が陳宮の諫めも聞かず軍勢を整え隙を突いて攻めて来たが、これを偽兵と伏兵で散々に打ち破った。この敗戦で遂に呂布は兗州から逃亡する事になった
「クソッ これでまた振り出しか」
「曹操軍の追手が迫っています」
「これからどうされますか?」
「これから先、我等を受け入れてくれる者は現れるのだろうか?」
長安を追われ、袁術・袁紹・曹操から拒絶された呂布軍の選択肢は少ない。
「どうにかして、誰かの庇護を受けて軍の立て直しを」
「我等を受け入れてくれる余裕があるのは、徐州の劉備と荊州の劉表くらいですが」
呂布は使者を徐州と荊州に派遣した。
「どちらも受け入れてはくれんだろうな」
「我等を受け入れれば曹操と揉める事になるからな」
そして、皆が諦めていた処に使者が戻ってきた。
「荊州の劉表には断られました」
そして、徐州に向かった使者も戻って来る
「断られただろ」
「それが・・・受け入れると」
「!! それは本当か?」
「はい、客としてもてなすと」
「いざ受け入れられると色々と勘ぐってしまう」
「劉備の奴 一体何を考えている」
「だが、我等に選択の余地は無い」
「受け入れてくれるならその行為に甘えよう」
そしてしばらくして劉備軍が現われる軍を率いるのは趙雲と臧覇。そして、追手の曹操軍の夏侯惇と夏侯淵が兵を率いて現われる。
「また我等の邪魔をするのか?」
「前回の介入は無意味な戦を止める為、それに、今回邪魔をしているのは貴殿等の方です」
「何だと!」
「そこにいらっしゃる御仁は我が主玄徳の客人」
「これから主の元に案内をするのだ邪魔をするのは止めて頂こう」
「何を寝ぼけた事を 貴様の主は他人の領地を奪う盗人を客としてもてなすのか!」
「貴殿等と呂布殿の因縁など我等には関係ない」
「どうしても、客人に手を出すのなら我等がお相手しようか?」
「兄者 今劉備と勝手に事を構えるのはマズイだろう」
「ちっ! 仕方ない。だがここはまだ我等が領土。さっさと出て行け」
「言われなくともそうしますよ。行きましょうか。呂布殿」
「あぁ。そうだな」
こうして、呂布は曹操軍の追撃を振り切り徐州に入った。
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