第27話 兗州騒乱

父親である曹嵩を殺され激怒した曹操は豫州の陶謙を攻撃。怒涛の勢いで本拠地の許昌を目前にしたが、曹操は退却を余儀なくされる。曹操自身が治める兗州を呂布に落とされたと云う。急ぎ曹操は兗州に戻った。


「えーい!まさか我等が攻め込んでいる間に攻め込まれるとは」


「既に兗州の大半が呂布の手に落ちた様で」


「しかし、あの呂布一人に短時間で此処までの事ができるのだろうか?」


その時、曹操の元に一人の兵士が駆け込む


「どうした」


「曹操様に知らせがございます」


「城の守りを任せた者達は無事か?」


「はい」


「それで知らせは?」


「現在 濮陽を始め兗州の大半が呂布に落とされております。未だに落とされていないのは鄄城・東阿・范です」


「そうか! 全ての城が落ちた訳ではなかったか」


「それと 郭嘉様の調べでは今回の件 呂布を手引きし、反旗を翻したのは張邈・張超・陳宮・王堦・許汜の5人とのこと」


「は?」


曹操は自身の耳を疑った


「王堦と許汜は兎も角、陳宮は私を兗州牧に推してくれた男だぞ。張邈兄弟においては昔からの親友と言える中だぞ」


「曹操様 今、分からない事を考えても仕方ありません」


「・・・そうだな。私はこんな処で倒れる訳にはいかん」


「急ぎ兗州を取り戻しましょう」


「ならば先ずは濮陽を取り戻す」


即日 曹操は濮陽に籠城する呂布を攻めたが城は落ちず敗走した。呂布は曹操を迎撃したが、この頃は旱魃やイナゴの大量発生があり兵糧の確保ができず、曹操を打ち漏らしてしまう。一方、敗れた曹操は兗州の奪還を諦めた訳では無い。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る