第25話 長安変政



連合軍解散後、各地で群雄達が領地拡大に動いていた頃、長安では相変わらず董卓による悪政が続いていた。この現状を司徒の王允と司隷校尉の黄琬は常に憂慮していた。


「はぁ~どうにかして董卓を亡き者にできないだろうか?」


「常に呂布の様な剛の者が近くにいては」


数日後 黃琬がある情報を知らせた


「董卓と呂布が喧嘩したぞ」


「それで?」


「この際 呂布を味方に」


「上手くいくかな」


「お前の様な奴は息子ではない!とまで言われたらしい」


「ならば、それとなく本人に聴いてみよう」


王允が話を聴いてみると呂布は最近の董卓の自身への待遇に不満を懐いていた。酒の勢いもあるが、呂布が決定的な言葉を口にしたので、 王允は思いきって呂布を計画に誘ってみた。


「丁原を斬り、董卓まで斬っては世間に何と噂されるか」


「まさか将軍が噂などを気になさるとは。しかし、今回は帝と民の為にすることです。誰も将軍を責めません。むしろ、称える事でしょう」


「帝と民の為。そうだな!その通りだ」


それから数日後、遂に董卓暗殺が実行される


「大変です!董卓殿!」


「何だ?王允 騒々しい」


「帝が退位すると」


「な!何?」


「帝が今のこの国を治めるのは自分ではなく董卓殿がふさわしいと」


「ハハッ!あの小僧が退位を決意したか!これでこの国は名実共に私の物だ」


そして董卓は帝の元を訪れた


「では、董卓殿お入り下さい。護衛意外の他の方はこれ以上はご遠慮下さい」


董卓は王允に言われるがまま、宮殿に入る


「? 王允!帝がおらんぞ」


「帝はここには来ません。ただ、逆賊を討てと勅命を受けております」


「逆賊?」


「お前だ!董卓!」


不意を突かれた董卓は簡単に討たれた。そして呂布は董卓の首を外にいた兵士等に見せつけ


「逆賊董卓は討った。貴様等に降伏の意思があるなら、今の内に降伏しろ」


董卓軍兵士は訳も分からず降伏


「奴の下に付いている者達は健在だ! 今から奴らを討ちに行くぞ」


そして、呂布は軍を率いて董卓の一族や董卓に組していた者達を斬った。また、王允は、西涼にいる董卓軍にも兵を向けた。彼らは董卓が討たれた事を知ると降伏を願い出た。たが王允はそれを許さなかった。


降伏を断られた李傕 郭汜は困惑していた


「どうする」


「賈詡殿に相談しようか」


相談を持ち掛けられた賈詡は長安を奇襲する事を提案した。一方の王允は元董卓配下の胡軫、徐栄、楊定等を追手として差し向ける。しかし、胡軫と楊定は王允を良く思っておらず、徐栄の首を手土産に下ってしまう。


勢い付いた郭汜・李傕軍は長安を包囲、呂布も懸命に奮戦したが長安は8日で落ちた。王允・黄琬は討たれ、呂布はいずこかに落ち延びた。帝は未だ長安にいる。

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