第22話 太史慈 子義
連合軍解散後 劉備の動き
劉備の治める徐州には、多くの人が訪れる。たが、その中には、招かれざる者も。最近、復活した黄巾族などが豊かな土地である徐州に侵攻してくるのだ。そんな奴等から徐州の民を守る為に劉備軍は今日も警備に余念がない。そんな劉備の元に慌ただしく現れたのは、南陽に放った間者と西の防衛を担当している内の一人糜芳
「劉備様にご報告! 袁術軍が南陽よりこの徐州へ進軍開始」
「劉備様にご報告申し上げます。我等、劉備軍に援軍の要請を願う、青州太守の孔融殿の使者と名乗る者がお目通り願いたいと訪れております」
「ヤレヤレ、敵の侵略を受けている所に、援軍の要請とは、何と間の悪い。さて、どう対処したものかな?」
「袁術が攻めて来るのは、兵糧の援助を断った時点で分かっていた事です。」
「そうだったな」
「既に、元龍達が伏兵を伏しています。それに今の袁術軍の状態からして多く兵糧を手配出来ませんから袁術軍の兵も多くありません。それに我等が袁術軍の兵糧を奪おうとするだけで、勝てます。ですから援軍を出す余裕くらいはありますよ」
「ならば、孔融殿の使者に逢おう」
「では、お呼びします」
「某、太史慈 子義と申す。黄巾族が青州城に迫っており、孔融殿が籠城しておりますが、このままでは保ちません。劉備様!どうか孔融殿を救うのにお力添えを!」
「分かった。では共に助けに行こう」
劉備は太子慈と関羽、張飛を引き連れ孔融の救出に青州に出発。荀彧と趙雲、臟覇等が袁術軍迎撃の為に徐州に残った。
袁術軍は徐州に入ると突如、伏兵に会い、散々に蹴散らされ、元々数の少ない兵糧を奪われ撤退を余儀なくされた。
青州
劉備軍が青州に着くと、城を包囲していた黄巾族は恐れを成して包囲を解いた。劉備軍は孔融軍と協力して、黄巾族の大将である官亥を討ち取った。
「助かりました。救援有り難う御座います。劉備殿」
「御無事で何より。孔融殿」
「子義、君が来てくれ無かったら、今頃どうなっていた事か」
「随分と彼を大事にされているのですね。余程 有能な臣下と見える」
「違いますよ。彼は私に仕えてはいません」
「では何故 主でない孔融殿の為に?」
「昔、母が孔融殿に大変お世話になりまして、そんな方が危機に陥っているのに、どうして放っておけましょうか」
「それで救援の使者を」
「素晴らしい」
「何と義理難い」
「本当に素晴らしい男ですよ」
「では、我々はこれで」
「お待ち下さい。劉備殿」
「子義は主を持たぬ将。どうか、劉備殿の元で仕えさせ貰えませんか?」
「彼の様な将が仕えてくれるのは嬉しいのですが」
「私にこのまま仕えるより貴殿に仕えた方が良いでしょう。皇族の劉備殿に仕えるとなれば貴殿の母も喜ぶだろう」
「子義 君はどうしたい」
「私は・・・」
「来いよ! 太史慈 俺等は大歓迎だせ」
「しばらくは様子見ということで来てみては?」
「では、しばらくお世話に成ります」
劉備軍は太史慈と青州を後にした
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