第21話 袁術の謀略
連合軍解散後 曹操の動き
今の時代一時的に脅威が去った程度では、平穏な暮らしはやって来ない。連合軍解散後、各地で黄巾族が復活し活発化、兗州の刺史である劉岱が討ち死に。この時、白羽の矢が立ったのが曹操 彼は劉岱の後任として兗州の牧となると、即座に黄巾族を攻撃。だが、その多くを殺さず、降伏させ自身の兵力とした。
連合軍解散後 袁術の動き
袁術の治める南陽は人口の多い都市である。しかし、袁術は贅沢が好きであり、その生活は南陽の民の税に寄って支えられていた。南陽の民は多額の税に苦しんでいた。それに加え天候不良で農作物が育たず兵糧も乏しくなっていた。そこで袁術は使者を立て、兵糧を借りることに。そして袁術が選んだのは
「劉表に借りよう。奴なら心良く貸してくれるだろう」
袁術は急ぎ劉表の治める荊州に使者を出した。そして数日後に使者が戻ったのだが
「断られました」
「何だと!儂の頼みを聴かんとは」
「劉表に断られたとなると」
そう言って将軍の紀霊が候補に挙げたのは
「徐州の劉備はどうでしょう?」
「ならば、劉備に借りよう」
そして、使者が徐州に向かうが、
「断られました」
「劉備もか?」
「それが・・・」
「どうした?」
「土地の管理も出来ないなら、さっさと、印綬を返還しろ。第一借りに来るなら使者など建てずに自分で頭を下げに来い!・・・と」
「何だと! 劉備の奴そんなことを言ったのか?」
「随分と傲慢な態度ですね」
「劉備め、皇族だからといって、いつまでも、調子に乗るなよ!劉氏の時代はもう終わっているんだ。董卓がいい例だ」
「そうですね」
「見ておれ、劉備!この儂を馬鹿にしたこと後悔させてやる」
「何をお考えで?」
「急ぎ戦の準備をせよ。徐州を取る」
「しかし、今は兵糧が限られていますので余り、多くの兵力を投入出来ませんよ」
「分かっておる。だから、儂自ら出陣する。さすれば、兵の士気も上がるだろう。もっとも、劉備如き我らの敵では無いと思うがな」
「では、急ぎ戦の準備を」
「それと孫堅に使者を出せ」
「孫堅に? 何故です?」
「劉表が天子に成ろうと為ていること、そしてその手始めに貴殿の領地を狙っていると知らせるのだ」
「そんな嘘は直ぐにバレますよ」
「だが、この噂だけで、孫堅は劉表を攻撃する大義名分を得る」
「成る程」
「奴とて領地拡大を狙っているはず、だが、大義名分も無しに劉表を攻撃できん。しかしこの噂で堂々と荊州を取れるのだから、例え嘘だと分かっても、奴は劉表を攻撃するだろう。あやつも陽人の戦の手柄を鼻に掛けていたから目障りに思っていたんだ。上手くいけば、どちらも潰せる」
そして徐州の劉備に袁術軍到来の報が、荊州の劉表には孫堅軍到来の報 がもたらされた
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