第18話 連合軍解散
連合軍が洛陽に入ったのは董卓軍が長安に撤退した後だった。
「なんて光景だ。これがつい先日まで都だったなんて」
「董卓の奴 なんてことを」
洛陽に入った連合軍は今後の方針を決め兼ねていた。
「董卓はもう洛陽にはいない」
「追撃を掛けるか?」
「ここから長安までどれ程の距離があるか分かっているのか?」
「董卓だって伏兵を伏せているだろうから簡単にはいかんぞ」
「それに私達もいつまでも此処にいる訳には」
「自分が納めている土地も心配だしな」
「・・・」
「これ以上、洛陽に留まっていても仕方ない。今日で連合軍は解散しょう」
こうして連合軍は解散。参加した諸侯はそれぞれの納める土地に帰った
洛陽 劉備軍 陣営
「連合軍の解散が決まった。では文若。君の今後の方針を聞かせてくれないか?」
「では最初に確認しますが劉備殿は解散で良いと?」
「そうだな。長安は遠く我等だけではとても戦えない。他の諸侯も自身が納める土地に帰る様だし、それに私も徐州が心配なんだ」
「私もこれ以上は此処に留まる必要はないと思います。我等も徐州に帰り、軍備を整えるべきです。」
「また、新たな争いが始まるか」
「特に河北の争いは激化するでしょう。董卓がいなくなった事で諸侯の軍事力の差が殆どありません。これから野心ある諸侯が勢力拡大に走り始めます。そうなれば河北でも裕福な土地の一つである我々の徐州も狙われることになります」
「よし、我等も急ぎ徐州へ帰還する」
劉備軍が徐州を目指し洛陽を出ようとしていた頃
「ご報告 後方に砂塵を確認」
「何だと? 一体どこの軍だ?」
「何処の軍でもいい、 全員 戦闘準備!」
砂塵は劉備軍に近づくに連れ薄れていく。そして目に付いた旗印は
「なんだ 公孫瓚の所の趙雲じゃないか?」
劉備を追い駆けて来たのは公孫瓚軍の将 趙雲だった
「どうした 趙雲 そんなに急いで」
「救援の要請ですか?」
「まさか 貴殿等の軍は誰かに攻撃されているのか?」
「いえ、その様な事は」
「ならどうしてこんな所まで、公孫瓚殿の納める北平はこの街道は通らんだろう?」
「実は劉備殿に大事なお願いがあって参りました。それも公孫瓚のお願いでなく、私個人のお願いです」
「? 私に協力出来る事なら良いが」
「どうかこの私を劉備軍の端に置いて頂きたいのです」
実は趙雲は以前から劉備に惹かれており、反董卓連合で劉備に実際に会い、共闘し更にその気持ちが高まった。連合軍解散で北平に帰る事が決まった際、公孫瓚に殿を希望し、こっそり自身の部隊と共に劉備を追い駆けたのだ。
「趙雲 君のやった事は公孫瓚殿への裏切りだぞ」
「それは 分かっておりますが」
「そんな事を平気で行う者を迎え入れるつもりはない」
「劉備殿 趙雲殿は貴方の元に来たい一心で此処まで来たのです。それにもう公孫瓚殿の所には戻れますまい」
「いいじゃないですか。趙雲は中々の奴だと思いますがね」
「はぁ~ならば ついて来い。趙雲 そこまでして私の元に来てくれたこと感謝する」
「有難うございます。これからよろしくお願いいたします」
こうして新たに劉備の配下に趙雲 子龍が加わった
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