第16話 反董卓連合
董卓の部屋
「おお、将軍 良くぞ来てくれた」
「董卓様のお力に成りたくはせ参じました」
董卓は呂布が味方に付いたことで勢いづき帝の入れ替えを行った
「貴様 勝手なことを」
発言者は袁紹とその一派
「袁紹殿等は反対か?」
「帝を勝手に入れ替えるなど臣下のやる事ではない」
両者とも腰の剣に手を伸ばす 両者の間に緊張が走る。
だが、現状は董卓勢の方が多く 袁紹一派には不利な状況だ。
董卓はそれが分かっていたので直ぐにでも号令を掛けた。
「袁紹殿 此処は我々が」
「す、済まない」
「逃がすな 追え!」
袁紹は一人洛陽を抜け出した
「袁紹は必ず見つけ出し斬れ」
「早く見つけ出さなければ面倒な事になります。袁家は名門。故に各地への影響力は恐ろしいものがあります。まして、皇族の劉備と組まれては厄介です」
そして、事態は李需の危惧した通りになった。袁紹や劉備が洛陽去ってしばらくして各地の諸侯により反董卓連合が結成された。参加したのは劉備、袁紹、曹操、孫堅、袁術、公孫瓚、韓馥、孔抽、劉岱、王匡、張邈、橋瑁、鮑信など多くの諸侯が数千から数万の軍勢を引き連れた
反董卓連合集結地 河内
「良くこれだけ集まったものだな」
「それだけ董卓を快く思っていないのだろう」
「だが これだけ多いと総大将を決めた方が」
「バラバラに戦っては集まった意味がない」
「当然 此処は劉備殿が・・・」
「いえ、私のような若輩者に総大将は務まりません」
「しかし・・・」
「私は先頭に立って少しでも早く董卓の首を討ちたいのですよ」
「そ、そうですか。素晴らしき覚悟だ。では代わりに総大将をやって頂ける方は・・・」
すると曹操が袁紹を総大将に推した
「袁紹殿が宜しいのでは」
「私が?」
「袁家と云えば、四代続いて三公を勤められている家 総大将として恥ずかしくないでしょう」
「そうですな」
「袁紹殿なら文句はない」
「私もだ」
こうして袁紹が総大将に決まり連合軍はそれぞれ洛陽を取り囲むように河内に袁紹、劉備、公孫瓚 鄴に韓馥 南陽に袁術 酸棗に曹操、劉岱、張邈、橋瑁、鮑信が布陣した。だがこの時、既に董卓の軍は強大な物になっており、集まった総大将の袁紹を始めとして諸侯の殆どが積極的に動かなかった
「クソ~ あいつ等、何時になったら動くんだ」
「まぁ そう言うな、翼徳。皆 董卓の大軍を見て不安なんだろう」
「なぁ~俺らだけで戦ってはダメか?」
張飛が荀彧の方を見るが直ぐに諫められた
「いけませんよ。翼徳殿。我々の軍勢は連合軍の中では多い方ですが董卓軍と比べれば差は歴然。我等だけでは真面な戦いはできません」
「確かに我等だけであの軍に立ち向かう事は出来ませんね」
「ならば、我々と共闘しないか?」
劉備軍に共闘を申し出たのは立派な風貌をした青年をお供として連れた公孫瓚
「どうされました」
「酸棗の曹操達が遂に動くらしい」
「ですから我々も動こうと思い、劉備殿をお誘いに参ったのです」
「そうか 曹操殿等も動くならば我々も動いた方が良かろう」
「そうか、これでようやく戦えるか お前も嬉しいだろう趙雲」
ようやく戦えると喜ぶ張飛
「はい、私も、劉備軍との共闘ができて光栄です」
公孫瓚のお供 趙雲 子龍も士気が高まっている
劉備と公孫瓚は急ぎ 洛陽を目指した
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