第14話 次なる支配者

漢王朝で最も大きな権力を持つ何進と十常侍。しかし、今はもう何方もいない。この状況で主を失った者達は、こぞって、董卓の元に集まった。董卓には帝を救い出したという功績があるからだ。こうして、董卓は瞬く間に政権を掌握していく。 


「まったく、何故、こんな事に」


「我々が董卓よりも先にお二人を保護していれば」


「まぁ、宮中で帝を奪われること自体、あっては為らないことだがな」  


「・・・申し訳けない」


「悔やんでも今更だ。しかし、奴が洛陽一の権力者に成り上がるとは」


「その董卓から大事な話があると招待されていますが?」


「内容は?」


「さぁ?」


「とりあえず出てみようか」


その日の夜、董卓に招かれた者達は以外に大勢いた。皆、董卓がどんな発言をするのか気になる様だ。


「今日、貴殿等に集まって貰ったのは、漢室のこれからについてある提案を聴いてほしいからだ」


董卓の提案は驚くべき物だった


「今の帝である弁皇子より協皇子の方が皇帝に向いていると思う」


「董卓! 貴様に何の権限があってそんなことを言うのか? 今の帝にどんな失態がある?」


発言者は執金吾の丁原


「大体、臣下が天子の座について意見すること事態間違っている。貴様は何様のつもりだ!」


「この私に意見するか!」


「おい、董卓「この私に」とは随分なモノ言いだな。帝を助けたくらいで英雄を気取るなよ。臣下であるなら帝を助けるのは当たり前だろう。」


「劉備 貴様もか?」


いがみ合う 董卓 丁原 劉備 三人共 腰の剣を抜こうとしたが、他の参加者に阻まれた


董卓の部屋


「全く、丁原と玄徳は呼ぶべきでは無かったな。他の大勢の者は私を恐れて何も言わなかっただろうに」


「まさか今の董卓殿に意見する者がいようとは」


「あいつ等がいては私の計画が台無しだ。如何にか排除せねば」


「しかし、そう簡単ではありませんよ。二人の護衛は強いですから」


「玄徳の護衛の関羽。それに、丁原の養子の呂布といったか」


「どちらも武勇に優れていると評判ですからね」


「護衛の二人が離れている間に何とかできれば」


「それは難しいのでは」


「二人を洛陽から遠ざけるか」


「名目はどうされますか?」


「はぁ~何とか二人一遍に処理できんものかな」


「片方だけなら何とかできるかもしれませんよ」


今後の事を相談している処に新たな来訪者


「李粛か。それで何か策があるのか?」


「簡単な事 呂布を味方に引き入れればよいのです」


「そんな事ができるのか」


「実は私、呂布と同郷でして、彼の事は良く知っています。かれの強さも人となりも。ですが奴を味方に引き入れる上で董卓様に協力をして頂けなければ」


「何をすれば良い。アヤツが味方になるなら何でも協力しよう」


「董卓殿の馬を、あの名馬「赤兎」を頂きたい」


「何! アレは私の愛馬だぞ」


「董卓殿 先ほどの自身の言葉をお忘れですか? それにあの呂布が味方になるのなら馬一匹を惜しんではいけません」


「はぁ~分かった」


李粛は急いで呂布に会いに行った










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