第11話 黄巾の乱 終息

董卓軍に快勝した黄巾賊だが、劉備が加わった事で、再度、劣勢に陥る。そして、兗州の黄巾賊を殲滅し終えた皇甫嵩軍も加わる。追い打ちを掛けるように、黄巾の乱の指導者 張角の病死の報が入り、乱戦の中、張梁も戦死、追撃を掛けた曲陽でも張宝を斬った。指導者3人を失い遂に、黄巾の乱は終息を迎えた。洛陽の人々は喜んだが、劉備は素直に喜べなかった。

 

「今の状態では、いずれ、また、大きな反乱が起こるだろう」


「早い所、十常侍を片付けねばなりませんね」 


そんな時、帝から呼び出された


「一体、何事でしょうか?」


「大方、左豊の件だろう」


洛陽 宮中

  

宮中には、既に十常侍等の姿があった。


「玄徳殿、何故、ここに呼ばれたかお分かりかな?」


「さぁ。見当も付きません」


「お惚けなさるな! 貴殿が帝の使者の左豊を斬った件です」 


「帝の使者を斬るなど!幾ら、皇族の方でも死罪は免れませんぞ」


「左豊は軍規を乱した。軍規を乱した者は斬る。当然の事でしょう」

 

「一体、左豊殿がどう軍規を乱したのです?」 


「戦の最中に賄賂を要求し、それを断れば、帝に、戦わないと虚偽の報告をする」 


「それは、誠か?」 


帝が驚きの声を上げる


「えぇ、事実です。それは皇甫嵩殿も朱儁殿もご理解されているはず」


「では関係者を呼んでまいれ!」


呼び出された者達は皆、左豊の事実と廬植と玄徳の働きを評価した


「本当に左豊は朕に嘘をついていたのか、今すぐ廬植を解放せよ」


こうして、廬植は無罪、また、玄徳も罪を免れた  


「ところで、張讓殿 今回の件 どのような責任を取られるお積もりで?」

 

「責任?私に何の責任があるのです」


「左豊を使者に任じた責任。董卓を後任に選んで余計な犠牲を出した責任です。」


「使者を選んだのは私の一任ではありません。そして戦に破れたのは、董卓殿であり、私ではありません。」


責任を追求したかった劉備だが、張讓に上手く切り抜けられた


「やれやれ、私に、文若のような才があれば」


十常寺との争いはまだまだ、続く






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る