第7話  徐州の仲間



その日も、将軍 藏覇宣高は戦場に立っていた。


「数は多くなくとも、援軍も無しに何度も来られては、兵の士気も上がらんぞ」


徐州に群がる黄巾賊の数は決して多くはないが、徐州の防衛に割ける数も多くない。再三、近くに駐屯している官軍に援軍の要請をしているが悉く断られている。


徐州に向かっていた劉備は、黄巾賊と激突している徐州軍を発見する


「少し、圧されているか?」


即座に劉備が介入し、黄巾賊を追い払う


「見苦しい処を、見られてしまいましたね」


「援軍も無しに良くやっていると思うぞ」


「有難う御座います」


「さて、此処はもう、大丈夫だろう」


「はい、一旦、彭城に戻りましょう」


徐州 彭城


「良く無事に帰って来られたな」


「雲長達が頑張ってくれたので」


彭城に着くと、父親の劉弘と徐州別駕従事の麋竺子仲、が出迎えた


「劉備様が引き連れて来た軍勢は官軍の兵ですか?」


「イヤ、あの軍勢の大半は幽州で降伏させた黄巾兵だ」


「余り、頼り過ぎるのは危険では」


「兵糧さえしっかりと抑えればしっかり働いてくれる。安心しろ、街の者達に危害は加えさせん。処で他の者達は?」


「各地で防衛に当たっています」


「どの様な布陣だ」


「現在、荀彧殿の進言で北を藏覇殿、南を陳登殿、東を昌豨殿、西を弟の麋芳と荀彧殿が守備しています。また、遊軍を各地に派遣できる様にしております。」


「そうか、では、一番、苦戦している処は」


「そうですね、如いて言えば、弟の守る西の状況が芳しくありません、弟は藏覇殿の様に腕っぷしが強い訳でも、陳登殿の様に賢くも無いですから。荀彧殿の補佐と遊軍のお蔭で何とか持ちこたえていますが、今の処、被害が一番大きいので心配です」


「何故、西だけ被害が大きいのだ?」


「青州の黄巾賊が此方にも流れているのでしょう」


「まさか、もう、青州は落ちたのか?」


「分かりません。ですが、最近は青州太守の救援要請の使者もきません」


「ならば、私達は早速、青州に行こう」


「青州の黄巾賊を討てば、西の被害も少なくなるだろう」


「分かりました。お気をつけて」


急ぎ青州に向かう劉備。到着した時には青州城は陥落寸前だった。流石の劉備達も青州城の包囲を解くのにも、青州全体から黄巾賊を追い払うのにも苦労させられた。

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