第5話 的盧
黄巾賊は各地で官軍と激突を繰り返していた。特に勢力の強い冀州に盧植を、豫州、潁川に皇甫嵩と朱儁を派遣している。
「徐州が心配だな」
「宣高や元龍がいるから大丈夫とは思うが」
「ですが、最近は幽州にも黄巾賊の手が伸びています」
「だがこの数で戦えるか?」
「官軍の雛靖と云う将軍が近くに駐屯しているはずです」
「ならば急ぎ将軍と合流し周辺の黄巾賊を討とう それから南下して先生と協力し張角を討とう。出来れば冀州で討ちたいものだ」
劉備は早速 雛靖の陣を訪れた
「貴殿の様な方にご助力頂けるとは助かります」
劉備達は早速 雛靖の軍と共に討って出た。そして、関羽と張飛の活躍で最初、劉備達の倍上いた黄巾賊は完膚なきまで叩かれ四散した
「まさか これ程、簡単に賊軍を殲滅できるとは」
「これで暫く幽州は、大丈夫でしょう」
「劉備殿はこれからどうなされます? 洛陽にお戻りに?」
「徐州が心配ですし、冀州では黄巾の本体と盧植軍が交戦しているはずですので、このまま南下します」
「そうですか。それではお気を付けて」
雛靖と別れ冀州を目指す劉備。暫らくすると劉備の目の前に黄巾賊に襲われている者達が
「あの者達を助けるぞ」
「勿論です」
だが幸い賊は少なく簡単に襲われていたもの達を助け出せた
「危ない処を有難う御座います。私は商人をやっております張世平ともうします。失礼ながら・・・将軍は?」
「劉備と云う。今は各地の黄巾賊を討伐する為に動いておる」
「では、ここにある商品も売上金も貴方様に差し上げます」
「!! 私は礼欲しさにお前達を助けた訳ではないぞ」
「実は私も黄巾賊に家族を奪われました。しかし、私には、戦う事が出来ません。ですから、皆さまの援助くらいは・・・」
「・・・なら 馬を数頭いただこう、先の戦で失ってしまったからな。それと金は要らん、冀州までは問題ないからな。では、馬を見せて貰おう」
劉備が馬を選らでいると一匹の馬に目が行く
「この際だ。私も馬を乗り変えよう」
「左様ですか」
「なら、私はこの馬を貰おうか」
「恐れ入りますが、その馬は御止めなさい」
「なぜだ」
「それは、的盧と云う凶馬です。コイツは積み荷は乗せても人を乗せる事はありません。例え乗せても、乗り手には不幸が訪れます。我々が襲われたのもこの馬の所為かと」
「ほ~う 凶馬か。面白い どれ一つ乗ってみよう」
「お止めなさい。怪我だけではすみませんぞ」
そして劉備が的盧に乗ろうとする。誰もが的盧が暴れ出すと思ったがそんな事はなかった
「そんな 信じられん」
「大人しい、いい馬だ。これを頂こう」
「お気を付け下さい、的盧は不幸を呼びますぞ」
「ならば、この的盧と共にどんな不幸も乗り越えよう」
「そうですか・・・それでは道中お気をつけて」
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