第5話:佐々木くんの悩み!
「なあ、明後日の金曜日、ウチに泊まりに来いよ」
「え、どうしたの急に」
「いやさあ、オマエ、金曜日は一人で留守番って言ってたじゃん。俺のところの
凛は佐々木のニつ下の妹で、小学五年生だ。夏休みを目前に控えた7月中旬、小学校では五年生の林間学校がある。
「でも、いいのかな?お父さんとかお母さんとか大丈夫?」
「ああ、それなら心配いらねーよ。もうオマエが来ることは話してあるからさ」
「ええ!?もう!?」
佐々木の行動力は強い。
「なあ、頼むよ。ちょっと相談したいことがあってさ」
親友の相談とあっては、割下も断る訳にはいかない。
「わかった。父さんと母さんに聞いてみるよ」
……その夜、割下は両親にお泊りのことを相談したところ、あっさり許可が出た。一人で留守番するよりは安心だからということだ。
――――――――――
そして金曜日の夕方。
「おじゃましまーす」
割下は着替えを持って佐々木家にやってきた。
「おーう、割下。待ってたぞ。母ちゃん!割下が来たよ!」
佐々木が迎えれてくれる。
「いらっしゃい
「はい。今日は部活の合宿に行ってます」
美羽は、有善の三つ上の姉だ。高校一年生で部活の合宿にも参加する、パワフルな女子である。
「そうなの。すぐにご飯の準備できるから、荷物置いてリビングに来てね」
「はい。ありがとうございます」
佐々木のお母さんも割下を優しく迎え入れてくれる。佐々木と割下は昔から友達で、家族ぐるみの付き合いも多かった。割下の両親は昼夜が不規則な仕事をしている。そういう時は何度か佐々木家にお世話になっていた。
「……ええと、相談のことだけど」
割下は佐々木にヒソヒソ話しかける。
「……ああ、後でな」
佐々木もヒソヒソ答えた。
――――――――――
……ご飯を食べたあと、佐々木と割下は一緒にお風呂に入っていた。
「それで、相談っていうのはなに?」
体を洗いながら割下が問う。
「あー、まあアレだよ。セイントヒップとセイントリングのことなんだけどさ」
佐々木は湯船に浸かりながら答える。
セイントヒップとセイントリングとは?割下と佐々木の二人は、ひょんなことからケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップ&セイントリングとして、悪のクッキングモンスターと戦うはめになってしまったのだ。
「あの衣装、やっぱり恥ずかしくないか?」
「うーん、そう言われればそうだけど……」
セイントヒップはスパッツふんどしのケツ割り箸魔法少女服だし、セイントリングは輪ゴム鉄砲を撃つと服の面積が狭くなるサイバーカウガール魔法少女服なのだ。
「だけど……」
「だけど?」
佐々木の疑問に、割下は洗面器でお湯をザブンと被り……。
「っぷは!」
……そして、頭を振るって答える。
「だけど、僕達じゃないと皆を助けられないんだ。だから、僕達が戦わなきゃ」
その目は、責任感と覚悟に満ちていた。
「……オマエだったらそう言うと思ってたぜ」
佐々木は笑って、ザバンッと湯船から出る。
「え?相談ってコレだけなの?」
「ああ、いや、ちょっとあるんだよ。見て欲しいものが」
「見て欲しいもの?」
「おう。先に上がって準備してるからな」
そう言うと佐々木は脱衣場へ向かった。
残された割下は、しばし湯船に浸かり、ぼんやりと天井を見る。
「見て欲しいものってなんだろう……」
――――――――――
それからしばらくして、二人はパジャマに着替えて佐々木の部屋にいた。
「で、これなんだけどさ」
佐々木はスマートフォンの画像検索画面を見せる。
「え、これって……」
その画面に写っていたのはセイントヒップ!そしてセイントリングも!
「他のクラスのやつらが話しててさ。俺たち、結構撮られてるみたいなんだよ」
写真の中にはなかなかきわどいアングルの写真もある。
「いつの間にこんなの」
「俺たちが戦いに集中してる時に決まってるじゃん」
二人は画面をスクロールしながら眺める。セイントヒップが華麗に飛び回っている写真、セイントリングが飛び交うクッキングモンスターの攻撃を撃ち落とす写真。
「おー、ふたりとも可愛いプリ」
いつの間にか姿を表していたのはプリケッツ。ヌイグルミみたいなマスコットで、二人に魔法の力を与えた張本人だ。
「いやあ、そうかな。フフッ」
「なんだよオマエそんな満更でもないのかよ」
「でも、いい写真も多くない?」
「いや、そうとも限らないんだ」
更に画面をスクロールする。ヒップがケツ割り箸を決める瞬間の写真、リングのホットパンツが限界まで短くなってケツがはみ出しそうになっている写真……。
「うわ」
「な?こんなん正体がバレたらみんなにバカにされちまう。どうすりゃいいんだ?」
佐々木の表情は至極真剣そのものだ。もちろん、割下にとっても笑い事ではない。割下がセイントヒップになってから、もう3ヶ月以上たっている。色々なモンスターと戦って、人前でのケツ割り箸もなれてきた。でも、もし正体がバレてしまったらと考えると……。
「ねえ、佐々木くん。セイントリング、もう辞めたい?」
割下は不安そうな顔で問う。
「……いや、そりゃあオマエ、バレるの嫌だけどさ。だけどさ、オマエ一人に恥かかせるわけにはいかないだろ」
「佐々木くん……」
「リングがいなくても、ヒップだけでもモンスターは倒せる。だけど、俺だって男だ。やると決めたからには最後までやるぜ」
佐々木は笑って答えた。
「ありがとう」
「いいんだよ」
「うんうん、二人は
プリケッツも頷く。
「それよりさ、俺たちの写真を何とかできねえかな。消したりさ」
「いやあ、それは無理だと思うよ。だって、いっぱいあるもん」
割下がスマートフォンの画面をスクロールすると、どんどんヒップとリングの写真が出てくる。
「まあ、そりゃそうだよな……」
諦めてベッドに寝転がる佐々木。
「これからはもっと気をつけないとね。ヒップとリングの正体が僕たちだってバレないように」
割下も部屋の電気を消し、ベッドの横に敷いた布団に入る。
「ああ、そうだな。写真のことは考えたってしかたねえや。おやすみ」
「うん。おやすみ」
――――――――――
翌日の昼下がり!
「プリプリ!悪霊の気配を感じるプリ!」
プリケッツが悪霊の気配を感知!割下のピンク箸入れがカタカタと震え、先端についたダイヤモンドカットのクリスタルが光を発する!佐々木のイエロー箸入れも同様だ!
「行くぞ、割下!」
「うん!」
二人は佐々木家の玄関を飛び出し、人気のないところへ移動。そして、箸入れから割り箸を取り出し、割った!
パキン。
『パパラパ~チャララパパラパ~♪パッパラ~パパラパッパッパラ~♪』
変身BGMが鳴り響く!割下と佐々木の体が宙に浮いて体が光に包まれ、変身バンクだ!
割下の全身が光のシルエットになり、半ズボンがはじけ飛ぶ!そして代わりに黒いスパッツが装着される!
佐々木も全身が光のシルエットになり、スニーカーががはじけ飛ぶ!そして代わりに装着されるのはカウボーイブーツ!
割下の上半身のTシャツがはじけ飛び、フリフリの淡いピンク色ドレスみたいな服が装着される!レースの手袋にニーソックス。ちょっとだけヒールが高い靴。髪の毛はリボンで結ばれる。メガネも魔法で形が変わる。
佐々木のズボンとTシャツがはじけ飛び、ショートパンツ、胸下で縛られたへそ出しTシャツ、そして茶色いカウガールジャケットが装着される!腰には二丁のガンベルト。手にはレザーのグローブ。首元にはスカーフ。頭にはテンガロンハット。
そして最後に、割下には黒いスパッツの上から白いフンドシが、佐々木には蛍光イエローのバイザーサングラスが装着される!
『パパラパ~パパパッ♪パッパン♪』
BGM終了!割下はセイントヒップに、佐々木はセイントリングに、それぞれ変身完了!
「よし!行くぞ!」
――――――――――
二人が到着したのは駅前の駐車場!そのど真ん中にいるのは、巨大な丼!
「ヤマーーーーーーッ!」
鳴き声から察するに、山かけ丼モンスターだ!
山かけ丼モンスターの丼からは、どんどんとトロロが流れ出ている。
「た、助けてくれー」
「うわーん!ママー」
助けを求める沢山の人たち。彼らは全員、足元がトロロに飲み込まれて動くことができないのだ!
「ヒップ!足元!」
「え?うわっとっと!」
リングの声で後ずさるヒップ。二人の足元にも、どんどんとトロロが迫ってくる。
「チクショウ!どうすりゃいいんだ」
リングはサイバーゴーグル越しに山かけ丼モンスターを睨む。ゴーグルにはWEAKの文字が表示され、それは山かけ丼モンスターの頂上を指し示している。
「割り箸は丼の頂上だけど……」
モンスターは、悪霊がとりついた割り箸を折ることで成仏し、やっつけることができる。リングのゴーグルは割り箸の場所を見定めることができるが、それをどうやって奪いに行くかというのは話が別だ。
「オーッホッホッホ!」
その時、山かけ丼モンスターの頂上から女の声!
「その声は、レディ・パン!」
ヒップが声のする方を見る。そこにいたのは、ダークセクシーエプロン魔女服に身を包んだ一人のレディだ!
レディ・パンは、ワルノワールから力を借りて、クッキングモンスターを作っているのだ。ワルノワールとレディ・パンの目的は、大悪霊の復活と捕獲!
大悪霊復活のためには、大きな混乱が必要だ。クッキングモンスターは大きな混乱を呼ぶ。早く倒さなければ、大悪霊が復活してしまうぞ!
「今度の料理は自信作よ。あなた達、この丼の上まで登ってこれるかしら?」
レディ・パンの挑発!
「なにをーっ!」
ヒップがプンスコして大きく足を踏み出そうとした。だが!
「だめだヒップ!」
「……っうう」
リングの言葉で立ち止まる。トロロの海はすべてを飲み込む。一度足を踏み入れえれば、魔法で強化されたヒップのジャンプ力でも抜け出せないかもしれない。
「でも、このままじゃ……」
「いや、俺に考えがある。協力してくれ!」
リングがニヤリと笑ってそう言うと、二人は一時退却した。
「オーッホッホッホ!流石に今回は尻尾を巻いて逃げっちゃったのかしら……ん?」
高笑いするレディ・パンが見たものは、巨大なゴムパチンコを構えるヒップの姿だ!パチンコの弾丸はリング!
セイントリングのパワーは輪ゴムだ。輪ゴムは聖なる天使の金の輪のパワーをもち、手にした輪ゴム鉄砲から放たれた輪ゴムは、クッキングモンスターの体を浄化させる。
しかし、そのパワーは無限ではない。魔法少女服の魔力を輪ゴムに変えて打ち出しているので、輪ゴムを撃てば撃つほど服の面積は狭くなる。考えなしに撃ち続ければ、ケツ丸出しなのだ。
だが、輪ゴムの使い方は撃ち出すだけではない!
「ふににににに……」
ヒップが輪ゴムを限界まで引っ張り、そのたくましい足腰で支える!
「よし!この角度だ!撃て!」
「えいっ!」
リングの合図で輪ゴムを手放すヒップ。リングはそのまま大きく飛び出した!
巨大な輪ゴムを作り出すには巨大な魔力が必要だ!ヒップの半ズボンがホットパンツになりかけている!だが、今はそんなことで恥ずかしがっている場合ではない!
「よっしゃあ!真上からダイブだ!」
放物線を描くリングの身体は、山かけ丼モンスターの頂上に向かってまっすぐ飛んで行く!だが、その時だ!
「ヤマヤマーッ!」
山かけ丼モンスターから、巨大なマグロのぶつ切りがいくつも飛び出し、空中のリングに襲いかかる。
「っへ!それくらい!」
ヒップは腰から二丁の輪ゴム鉄砲を取り出し、輪ゴムを連続射撃!
「「「「「「マグーッ!」」」」」」
全弾命中!
「よーし、このまま……」
「あーら、そううまく行くかしら」
レディ・パンの不敵な笑み!
「上手くいくに決まって……ってあれ?」
山かけ丼モンスターの頂上を目指して飛んでいたはずのリングだが、飛距離が落ちている!このままでは届かない!
「あれ?え?なんで?」
そのままリングは山かけ丼モンスターの縁に手をかけるも、トロロで手が滑る!
「うわーっ!」
そのままトロロの海に墜落!
「オーッホッホッホ!空中であれだけ攻撃すれば、飛ぶ勢いがなくなるのは当然よ。作用反作用の法則ね」
レディ・パンの高笑い!
「さよう……?」
リングがトロロまみれでどうにか立ち上がる。
「ま、あなた達みたいなお子ちゃまにはわからないでしょうけどね。勉強はちゃあんとしないといけませんよ?」
「くそ!ヒップ!失敗した!」
リングが悔しがるが、もはや何もできない!
「ど、どうしよう……」
ヒップは考えながらも、じわじわと迫るトロロの海を後ずさりするだけだ。
「さあて、もう終わりかしら?お嬢ちゃん?」
レディ・パンの勝ち誇ったような笑み!もはや万事休すか?……否!ヒップは諦めていなかった!
「よし、見えた!」
ヒップが目を見開き、山かけ丼モンスターの頂上を見据える。
「みんな!ゴメン!僕に力を貸して!」
そう言うとヒップは、助走をつけて大きくジャンプ!だが、跳んだ先は山かけ丼モンスターではなく、トロロで動けなくなった男の人だ!
「手をついて!」
「え!?ああ!!」
ヒップの声に、男の人がトロロの海に両手をつく。
「ったあ!」
ヒップは男の背中を踏み台にして、さらに跳躍!
「なんですって!?」
レディ・パンが驚く。その間にも、ヒップはみんなの背中を借りて連続跳躍!
「任せたぞ!」
「やっつけてくれ!」
「頑張れ!」
みんなの応援を受けながら、どんどん山かけ丼モンスターに近づく!そして……。
「リング!」
「よし!来い!」
最後に待ち構えるのはリング!両手でヒップの足を支え、大きくジャンプさせる!
「たあっ!」
このままレディ・パンの待つ頂上へ一直線だ!
「ええい、コシャクな!」
レディ・パンは腰からしゃもじを取り出す。すると、なんということか。そのしゃもじは巨大化し、まるで巨大なテニスラケットのような武器になったのだ!
「これでも喰らいなさい!」
レディ・パンはしゃもじを勢いよく振り回し、ヒップをはたき落とそうとする!
「そうは……」
ヒップは空中で体を捻り、巨大しゃもじを回避!
「……いくか!」
そして、レディ・パンの足元から巨大なまな板を抜き取った!
「あら……?」
レディ・パンが山かけ丼モンスターの頂上で、なぜトロロに飲み込まれていなかったのか。それは巨大なまな板をサーフボードのようにしてトロロを乗りこなしていたからである!そして今、そのまな板は奪われた。すなわち……。
「あ~~れ~~っ!」
レディ・パンはトロロの海に流され、そのまま丼の下に墜落!
「わ、わたくしとしたことが……」
レディ・パンはどうにか立ち上がるが、トロロの海でまともに動けない。
一方、まな板サーフボードを乗りこなしたヒップは、頂上で割り箸を見つけた。
「今だプリ!割り箸を聖ケツで折るプリ!」
セイントヒップの聖なるケツで割り箸を折ることにより、悪霊は成仏し、モンスターはやっつけられる。
「うん!」
ヒップは割り箸をふんどしとスパッツの間に挟む。ふんどしと割り箸が聖なる十字を表した!……だが!
「どうしたプリ!早く折るプリ!」
プリケッツが急かす。しかし、ヒップには気になるものがあった。
「み、みんながカメラをこっちに……」
周囲には野次馬が集まっていた。そして、その多くは、ヒップのケツ割り箸を写真に収めようと、カメラやスマートフォンを向けている。今まではあまり気にしていなかったヒップだが、昨日のことで撮られていることを意識してしまい、とたんに恥ずかしくなったのだ。
「カメラがどうしたプリ!今までも人前でケツ割り箸してたプリ!」
「そ、そうなんだけど、でも、ずっと写真に残るのは、恥ずかしいんだよぉ!」
そうこう言っている間にも、そんな恥ずかしがるヒップの姿を捉えるシャッター音は鳴り続ける。このまま、ヒップはケツ割り箸を決められないのだろうか?
「ええい!オマエらぁ!写真取るのやめろ!」
突然の怒声!声を上げたのはリング!
「いいか!セイントヒップはなあ、みんなのために戦っけてくれてるんだ!それなのに、オマエたちが写真撮ったりするから、セイントヒップがケツ割り箸できねえじゃねえか!」
リングの訴えに、見物人たちの手が止まり、ヒップに向いていたカメラが、スマートフォンが、ゆっくりと降ろされる。
「セイントリング……」
「どうせだったら応援してやれよ!みんなを救ってくれるヒーローを!」
トロロまみれの汚れた外見とまったく逆に、リングの言葉は透き通り、そしてなによりヒップのことを案じての言葉だった。
「セイントヒップ!がんばれー!」
トロロに足を取られ泣き叫んでいた小さな子供が、声を上げた。
「……セイントヒップ!やれ!がんばれ!」
先程ヒップの足場になった男が、声を上げた。
「やっちまえー!」
「がんばれー!」
「応援してるぞー!」
「可愛いよー!」
「折っちまえー!」
いつの間にか、写真を撮る人はだれもおらず、みんながヒップを応援していた。
「……みんな、ありがとう」
ヒップはケツに力を込める!
「えいっ!」
バキィ!
割り箸が割れた!
「ヤ、ヤ、ヤ……」
山かけ丼モンスターが中から光りだす!そして!
「ヤマカケーーーーーーーーー!!!!」
山かけ丼モンスターは爆発!キラキラした光の粒子となって空へと登っていった。
トロロの海も、キラキラした光の粒子で元通りになった。
動けなくなっていた人たちも、みんな自由の身だ。
「むぅ……今回はここまでにしてあげますわ!それではごきげんよう!」
レディ・パンが突然白い煙に包まれる!小麦粉だ!
「ゴホッ!ゴホッ!」
ヒップとリングが咳き込む!煙が晴れた時には、もうレディ・パンは逃走していた。
「セイントヒップ!ありがとう!」
「セイントリングもかっこよかったよ!」
二人に賞賛の声と、人だかりが押し寄せる。
「おい、変身が解ける前に逃げようぜ!」
「あ、うん!みんな、応援ありがとう!」
ヒップとリングは思いっきりジャンプして、人気のない場所へと飛び去って行った。
――――――――――
数日後。
「おい、コレ見てみろよ」
佐々木がニヤニヤしながら割下にスマートフォンの画面を見せる。
「え?なになに?」
割下が画面を見ると、そこにはトロロまみれのレディ・パンの写真が!
「あ!これ!」
「へへへ。これでアイツも、人前に出てこられないだろ」
「うーん……そうかなあ……」
「そうかなあってどういうことだよ」
「いやあ、あの人、あんまり恥ずかしがってないみたいだし」
「ハハハ!そりゃそうだな!」
――――――――――
同時刻、
「いやーっ!私のトロロまみれ写真がーっ!」
「ワルワルワル!傑作ワル!」
黒いヌイグルミみたいなマスコット、ワルノワールが笑い転げる。
「笑い事じゃないよワルノワールちゃん!」
渡鍋がワルノワールの顔をびよーんと引っ張る。
「ワ、ワルーッ!」
――――――――――
みんなの応援が新たな仲間だ!頑張れヒップ&リング!クッキングモンスターをやっつけろ!
ケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップ
第5話:佐々木くんの悩み!
おわり
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