第7話
母方の祖母が認知症になり、私の事を人形と思ってガン見された
というお話を書きましたが、真夜中に真っ暗な中、仏間で鈴を鳴ら
すので、肝を冷やした事もありました。
彼女は昔は、ハイカラさんの様な女学生ライフを満喫して先生に
なった結構な才女でした。
一番下の弟は野球少年で「長生」という名前だったのにも関わら
ず、二十歳前後で病死してしまいました。
病は、人に感染る様なものではなかったらしいですが、一種の流行
病だったようです。
祖母は、この必ず死に逝く弟を励ましたのです。死はもう確実なの
に、身体が若いが故になかなか死にきれない訳です。
あんたが、今までフラフラと野球なんかにうつつを抜かして親不孝
するからだよ、もうちょっとで楽になるからね、頑張るんだよ…と
説教も交え息を引き取るまで、毅然として付き添ったんだそうです。
でも、死ぬのに頑張れってよく分かりませんよね…。
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