第5話
これは、面白い経験です。私自身が幽霊と間違えられたお話です。
色々と、世の中には不思議で奇妙な体験をされた方も多いだろう
と存じますが、逆の立場になったというのは、なかなか珍しいん
じゃないかなと思います。
小学校の高学年の頃、都内の府中市内に住んでいました。
母と二人、都心へ買い物に出かけた帰途、最寄りの駅に降りてみる
と、どうもお天気が急変しそうで暗くはあり、タクシーに乗る事に
しました。大体の方角を伝え家に近付いた頃合いで、運転手さんに
聞かれるまま、目標となるポイントを詳しくお伝えしました。
「浅間山の麓です。傍に多磨霊園の裏門があります。手前には犬猫
霊園が、すぐ傍には斎藤精神病院があるのでそこを目印に進んで下
さい」と。もう、あたりは真の闇に包まれ小ぬか雨も降り始めてい
ます。すると…運転手さんは車を止め、ハンドルに覆い被さる様に
しながら、ゆるゆると私たちの方を振り返って「奥さん…脚はある
のかよう…」と言います。まあ、これだけスポットが揃えば怖がら
れるのも無理はありませんよね。母は、はい!ちゃんとありますよ
と笑って伝えたので、運転手さんもほっと脱力し(多分涙目)きち
んと家まで送って頂きました。
母方の祖母が認知で、廊下ですれ違った私を「人形」だと思って見
詰められた経験もありますが、これはさすがに面白いとは言えない
体験でした…。
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