5ー16
エリザベスとモルガナはルニアの前で顔を見合わせている。
ルニアが見破ったのが信じられない様子のモルガナ。
エリザベスはどこか当然ですといった風体である。
「小娘よ、どこで気付いたというのだ?」
「ひとつは、呼称です。ご主人様は、ブラド様と呼ばれるのを嫌います。近しい間柄のエリザベスやモルガナさんなら仕方なくとも、私には呼ばれたくない筈」
「もうひとつは、私の身体の心配です。ある意味ご主人様は私が怪我をして腕の一本を無くしたとしても取り乱したりしない。怒ったりはしてくれるかもしれません。でも、慌てふためくことはない。ご主人様にとって痛みこそ繋がりであり……」
ひとつ咳払いをする。改めて、言葉を続けた。
「痛みこそ、繋がりであり愛なんだと思います。だからこそ私にこれをくださったのです」
腕をあげて、証である指に嵌められた指輪をモルガナに示した。
モルガナは合点がいったという顔をしてエリザベスを見る。
「この勝負は引き分けということじゃな」
エリザベスはクスリと笑う。
「あらあら、モルガナも
そういうと、エリザベスは指を鳴らすとたちまちその姿は霧散してしまった。
いつのまにかアルマの姿も跡形もなく消え失せていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます