第03話 境界の繋がり
ぴろりん! と、俺の
内容を確認すると文字のメッセージはなく、TFLOのデフォルメされたキャラの
――てかさっきからこんなんばっか送られてきてるんだけど……。
「ねえ、ジル」
「ん? なに?」
「目の前にいるんだから普通に話さない?」
ここは生徒会室の中。
折りたたみ式の机を並べた反対側にいるジルが
俺たちは書類の整理を頼まれたんだが、俺はこのジルの攻撃により、時折中断を余儀なくされている。
「ん~と? なに話そうか?」
こちらを見ずに
「いや、話すことなんてとくに何もないけど……、てかジルほうが何かあるんじゃないの? さっきからこんなのばっかり送ってきて」
「うちも何もないけど……、おもしろいね! これ」
新しいおもちゃを与えられた子供のようなキラキラした目で
TFLOのセキュリティトークンや、俺たちが連絡を取り合っているSNSなどが、ジルの今まで使っていた
最初は操作すらおぼつかなかったが、俺たちがいろいろ教えて、SNSをインストールしてやってからずっとこの攻撃が続いている。
ガラッ! と戸が開く。
「ジル! さっきから用もないのに変なメッセ送ってくんなよ! あんまウザいから電源切ったわ」
長田さんがジルに説教をしつつ生徒会室に入る。
「用はあるよ。セルフィーに相手してもらいたいって」
「それが用がないっていうんよ……」
そのやりとりを横目で見つつ続いて美麗さんが生徒会室に入ってきた。
「長田さんお疲れ。美麗さんも。部活動への資料配りは終わった?」
「あらかた配り終わったかな。活動してるんだかしてないんだかよくわからないとこには配りきれなかったけど」
「そんな雑用なら俺たちに任せておけば良かったのに」
「会長に就任した挨拶回りの意味合いもあったから、あたしが直接配った方がいいのかなと思って」
「私を一緒に引き連れていったのはお前と私の上下関係を皆に見せつけるためだったのであろうが、目論見が外れたな。大半はお前が私に会長の座を受け渡したのかと思っていたようだったぞ?」
「な、な、なにいってんの? そんな目的であんたを連れて行ったとかじゃないから」
長田さんは非常にわかりやすく
「ふん……、まあいい、今日の活動を終わらせて早く帰りたいのだが」
と言いつつ
「買い物に行かせた柏木帰ってこないとなんも出来ないんだけど」
長田さんも
「ジル……あんた、どんだけ送って来てるんよ……」
「セルフィーから返事がないから」
悪びれるでもなくさらに
「まったく、
「いや、あんたも入れろっての。この前も言ったっしょ?」
この前――生徒会選挙の打ち上げの時に俺と長田さんはSNSのIDを交換したが、美麗さんはSNSを使っていないから、ジルと柏木は携帯電話がそのSNSに対応していなかったからという理由で、結局連絡が取り合えるのは俺と長田さんの間のみという状況だった。
「馬鹿を言うな。最近だってメッセージの流出とか問題があっただろう? そんな危険なものが使えるか」
「いや、こんなん普通に電話するのとかわらねえっての……。そういう問題になるような、見られたらまずい
「そんなことするわけがないだろう! ……いいだろう、わかった。インストールしてやろうじゃないか」
そう言うと
「インストールしたぞ? どうやって使うんだ?」
画面を見せつけつつ長田さんに聞く。
「ああ、奥原かジルにでも聞いて」
自分の
「え~と、とりあえずアカウントを取るところからかな?」
俺は美麗さんにSNSの使い方を
ぴろりん! と、俺の
「おめでとう! ちゃんと送れたみたいだね」
内容を確認すると文字のメッセージはなく、TFLOのデフォルメされたキャラの
――てかなんだ? この
「いや、なんて書いて送ればいいものかわからなくてな……」
恥ずかしそうに俯く美麗さん。
う~ん、まあ
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