志半ば

 身体にに衝撃。


 何かが、

 刺さ……、


 刺された


 のか……?




 熱い感かk、が、


 か、

 


 感覚、が


 急に身体が、

 熱く、重…

 血が、見えた。


 男が。

 走り去るのを、


 目で追うのが、

 追うのが……

 

 誰だ。


 丸尾……か


 僕は、やはり、ここで、

 やはり、間違って、なか


 が…、




 まだ……、

 力が。

 た、立ち上がれる……。


 血を見て、驚いて僕から離れる人が。

 みすゞさん……じゃなければいいな。


 僕は男が走り去る方に向かって力を込めて叫ぶ。


「気を付けろ!そっち!」


 扉の方に担当スタッフ後藤さんがいて、僕の声と、走り去ろうとする男を見て、様子に気付いたようだった。

「何だ!?」


「押さえろ! 逃が……すな。」

 そいつから離れろ、と言いたかったけれど、声にはならなかったようだ。 


 アカキさん、という声が聞こえた気がした。

 ち。

 もう、誰の声かも、わからなかった。


 誰の血だ?


 これは、見せちゃだめだ……。

 みすゞさん、怖い想い、してないかな?


 そう確かに思って、僕は全身から力を抜いてやった。

 どうせなら、


 誰かがみすゞさんを襲ってやるところを、

 盾になりたかったな。

 僕はまぶたの力も抜いて、目や、いろんなものを閉じた。


 


 ぼくは、想った。


 どんなに誰が僕を見放しても、


 蔑まれようと、


 笑われようと、


 僕を最後まで見捨てなかったのは、


 

 僕だけだった。



 僕は、僕を、見捨てなかった。 

 そうして生きてきたつもりだった。


 そんなことを、


 想った。

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