「ただいま」


家に帰ると、が俺を照らしてくれた。

俺は真っすぐ歩いていき、闇の中に包まれる。


パッと明るくなる。電気をつけたのだ。

俺は冷蔵庫からお茶を取り出し、コップに注ぐ。


テレビを点け、コンビニで買ってきた弁当をレンジで温める。


テレビではお笑い芸人がバカ騒ぎをやっていて、くすりと笑う場面など全くないがなぜか見てしまう。


チン!と音が鳴り、レンジからホカホカの弁当を取り出す。


机に座り、その弁当を食べ始め『――速報です。――からのお言葉があります』












その瞬間。日本中――いや、世界中が変わった。












「ただいま」


家に帰ると、が俺を照らしてくれた。

俺は真っすぐ歩いていき、闇の中に包まれる。


パッと明るくなる。電気をつけたのだ。

俺は冷蔵庫から水を取り出し、コップに注ぐ。


テレビを点け、採ってきたを火で焼き殺す。

幼虫が苦しそうに悶えるも、俺は何も思わずその様子を見る。

しばらくして幼虫が焼け、俺はそれを更に移す。


テレビではお笑い芸人がバカ騒ぎをやっていて、くすりと笑う場面など全くないがなぜか見てしまう。


机に座り、その幼虫を食べ始める。

プチッと中から液体が飛び出る。嫌な気持ちになりながら、咀嚼し、幼虫を飲み込む。


もう何度とした行為だが、未だに抵抗がある。


いつになったら、肉や魚が食べられるのだろうか。


いつになったら、今までの食事に戻るのだろうか。


こんなことになったのは、誰のせいなのだろうか。


皿に盛られた幼虫の丸焼きを、俺はただ見つめる。

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