ニュース
沙魚川
ニュース
何気ない日常は突然 終わる。
隕石の墜落から身近な人の自殺まで、様々な要因で音もなく 崩れてく。
携帯のけたましいアラーム音に驚かされた。
画面を開いて文字を読む。
どうやらこの世界が終わるらしい。
私の住む星に巨大な隕石が近づいているらしい。どうしたって変えられない、一週間後にはぶつかってしまう。
携帯の状況だけじゃ信じきれなくてテレビをつけると、速報として携帯と同じ内容が流れてた。この時ようやくおかれている状況に気付いた。
携帯もテレビもラジオもすべて無ければ良いのに。無ければ何も知らないまま死ぬことができた、今までどうりに過ごすことができた、もうすぐ死んでしまう恐怖に怯えることなく過ごすことができた。
しばらくテレビの画面を眺めてから恐怖を煽るだけの内容に嫌気が差してテレビを消す。
これからどうしようか、いつもならもう学校に行く時間だ。
この情報が流れた今、学校に行って何になるのか考える。未来がないのであれば行かなくても良いではないか、と。
そう考えてしばらくたって、携帯が鳴った。
無料チャットアプリの通知音だ。
相手は同じクラスの隣の席の人。
『今日学校普通にあるらしいよ』
『うん、でも行こうか迷ってる』
『だよな』
『でも行ってクラスのやつらと話せば少しは気が紛れるんじゃないか』
『なるほど』
『他のやつらは全員学校行くらしいよ』
『そっか』
学校へ行くことにした。
外に一歩踏み出すとそこはいつもと何一つ変わらない、さっきのニュースが嘘だったかのように。
そっか、どうしようもなければないもできない、何もできないのであればいつもどうりにするしかないんだ。
一週間後には終わるけどそれ以外はなにも変わらない。
ちょっと異常だとおもった。
ニュース 沙魚川 @h1rera
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます