無意識の中で
「久し振りだね、こーちゃん」
「ゆーちゃん?」
「大丈夫。全部聞こえてたから。私の声もこーちゃんに聞こえてたでしょ?」
「生きてって、ゆーちゃんが言ってたの?」
「そう。こーちゃんの意識が朦朧としている時にしか話せなかったんだけど、全部、全部私」
「ゆーちゃん、隣にずっと居てくれたんだね」
「うん。ずっと、ずっと隣にいたのに、こーちゃんは本物の私って気付いてくれなかったね」
「ずっと夢だって、幻だって思ってた」
「そう。これも夢。ね、こーちゃん。夢から覚める? 夢に溺れる?」
「僕の言うことは変わらないよ」
「強情なこーちゃん。それなら、今度は一緒に行こう。私が連れてってあげる。もう離れないようにさ、手を繋ごう」
「ありがとう。やっと、幸せを掴めるんだね」
「そうだよ。二人が揃った世界で、私たちはもう一度幸せになるんだ」
「ゆーちゃん、いままでありがとう。これからは」
「ずっと一緒」
「そう。ずっと、ずっと一緒だよ」
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