第5話 チーム

 ビルとロックスの二人が取調室から出た丁度その時、廊下に二人の女性捜査官が到着していた。一人はエルネスティーネ・ハルシュヴァイカー。入局二年目の新米捜査官であったが、その実力は先輩のベテラン捜査官達にも決して引けを取らなかった。頭脳明晰であり、コロンビア大学にて法学を学び首席で卒業。両親が学者であるため、熱力学に関しても幼い頃からかなりの専門知識を持ち、機械工学教授の助手的役割をこなしていた。

 運動にも長け、ハイスクールでは女子ボクシングの全国大会で優勝、趣味のテニスでもアマの大会で優勝経験がある。〝ワンド〟適性試験では堂々のA+判定を獲得し、FBIへの入局も願書提出の時点でほぼ確約されていた。文武両道、完全無欠、期待――または希代の新星。

 彼女の隣に立つ女性は、相棒のリナリス・アッシュベリー。二八歳。

 長くゆるやかな波を打つブラウンの髪、朝顔を連想させる紫の瞳、黄色系がやや混ざった白色の肌。物腰柔らかく、おっとりとした雰囲気の知的美人だ。スーツを着こなした姿は捜査官というより大手会社の弁護士。事実彼女はハーバードロースクールの卒業生で、元々は弁護士を目指していたが、〝ワンド〟適性でA判定を受けたことからFBIにスカウトされ、捜査官となった。ただし〝塵法術ナノ・ウィッチクラフト〟が扱え一般に比べ戦闘能力は高いと言っても、基本的に頭脳派であり、銃撃戦等は苦手としていた。

「エル、リナ、休暇中にすまないな」

 ビルが労い、エルは文句の一つも言わずに頷いた。

「それは全員、同じことです。――たった今、現場を見てきました」

「何か新たに判ったことはあるか?」

「いえ、目ぼしいことは何も。朝食を抜いて正解だったということぐらいです」

 エルがげんなりと告げ、リナリスも頭を痛そうに抱えていた。

「まったく、死んだはずの斬り裂き魔が実は生きていたなんて、スプラッタホラーの続編みたいですね」

 そのジョークが数時間前にどこぞのゲイが呟いていた言葉と全く同じものだとは、当然リナリスも露とも知らなかった。ビルは同意するように溜息をつく。

「当然、市民の反応などおかまいなしに、マスコミは大喜びだろう。情報もとっくに外部へ漏れている。二時間後には記者会見の予定だ」

「私達を呼んだのは、その件ではありませんよね?」

「ああ。君達にはジルグム・バーンレイドを追ってもらう。だがその前に、リードを手繰ってもらいたい」

リード?」

「まずこちらへ」

 きょとんとする二人に、ロックスが意味ありげな笑みを浮かべて、取調室の隣――マジックミラーの裏側――傍聴室へと案内した。なにやら画策している先輩捜査官たちに、後から続いて入室しながら、リナリスが冗談を告げた。

「警察犬同伴かしら? なら小型がいいわね」

「私は大きいのが好きだ」

「ゴールデンレトリバーとか?」

「いいね、最高に可愛い」

 部屋に入ると、中ではビルたち以外に、同僚の先輩捜査官の二名が立っていた。

 ゼルギウス・クロックハウト。四二歳。七フィートもある巨体の、禿頭の黒人。一五年前、自爆テロを未然に防ごうと犯人を追って爆発に巻き込まれ、全身大火傷、両手両脚を失いながらも奇跡的に生存。当時現場投入されたばかりの〝ワンド〟の初期使用者であたっため、生命力が人並み以上に高かったことによる僥倖であった。

 しかしもはや肉体は治癒不能なレベルにあり、そこで彼に施された手術が、これも当時実験段階にあった肉体の機械化だ。彼は〝ワンド〟体内注入前に、そちらの同意書にもサインをしていた。身体の一部を欠損した場合、実験的な機械義手または義足などの使用を許可するもの。彼は一部ではなく、そのほとんどを欠損し、全身機械化へ――そうして脳と背骨以外の全身九割を鋼鉄にして〝ロボコップアレックス・マーフィ〟の如く蘇ったのが彼である。

 軽く手を掲げて愛想よく挨拶する大男の隣で不機嫌面をしているのは、オズワルド・ランブロウ。見た目の年齢は一〇歳前後だが、実年齢は四五歳の、こちらもベテラン捜査官。

 子どもの頃に近所にあった製薬会社で起きた事故の影響を受け、二次性徴に至る前に成長が止まり、以降子どもの姿のまま。ただし老化しないわけではないらしく、彼に未だ皺一つないのは単に肌年齢が若いから。無害な子どもを装い、礼状を持たずとも様々な場所に潜入、見つかっても迷い込んだとごまかすことの出来る便利な身体。もちろん非合法だが、バレない限りは誰も訴えようもない。身体能力はその小さな見た目に反して高く、八〇キロのベンチプレスも楽々こなす。その上で〝ワンド〟を利用した際の力はFBIでも随一とされる。常に世間に不満を持った様子で口が悪く、皮肉屋だが、捜査官としての手腕はさすが海千山千のベテランといった具合であり、エルも彼から色々と学んでいた。――もっとも人に何かを教えるタイプではないので、勝手に学ばせてもらっているのだが。

 彼ら二人へ軽く挨拶した後、エルとリナリスはマジックミラーの前に立ち、取調室に座る一人の男――ワイアットを初めて目にした。振り返ったビルが彼を手で示す。

「彼はワイアット・バーンレイド元捜査官。今回の事件への協力を望んでいる」

「バーンレイド?」

「ジルグム・バーンレイドの弟だ」

 エルは僅かに眉を潜めた。

「連続殺人犯の弟を捜査に加える気ですか?」

「無論、表向きの話だ。話した限りではバーンレイド……〝リッパー〟の逮捕に意欲的だが、共犯の可能性もまだ捨てきれない」

 ファミリーネームではわかりにくくなるが、連続殺人犯をファーストネームで呼ぶのも憚れるため、ジルグムのことは〝切り裂き魔リッパー〟と呼称することにしたらしい。他のメンバーもそれに倣う事にした。

「君達には彼と共に捜査をしながら、その動向を探ってもらう。決して目を離すな。もしやつが黒であるなら、泳がせて〝リッパー〟の居場所を突き止めろ」

 なるほど――とエルは理解し頷いた。つまるところ囮捜査も兼ねているのだ。

 常にそれを念頭においておけば、攪乱されても対応できる。

「不服は無いな?」

「はい、問題ありません。了解しました」

 エルが粛々と任を引き受け、そこでリナリスが肩を竦めた。

「つまり、リードの先の首輪は彼なのね」

「可愛くなかったな」

 大役に抜擢されたのは喜ばしいが、得体の知れない荷物を抱えるのは前途多難となるだろう。仮に本気で彼がジルグムの逮捕を望んでいたとしても、せいぜい従順な犬であることを祈るばかりであった。

「ワイアットには安アパートの一室を貸し与えました。夜はゼルギウスがしっかり見張るので、心配しなくていいですよ」

 ロックスが気を使うように言い添えると、女性二人は同時に目を見開きゼルギウスを見た。その視線によからぬ邪推を感じ取って、巨漢の捜査官は苦い顔をする。

「そんな目で見るな。同室じゃない、隣の部屋だ」

 その遣り取りに、オズワルドが堪えきれないように含み笑いを漏らしていた。


 その後、捜査に加わることになったワイアットは、オフィスにて二人の女性捜査官の紹介を受けた。二人の美女に――特にエルの顔を見て、彼は思わず見惚れて呆然としていた。リナリスも確かに美しいが、身も蓋も無い言い方をすれば、どこにでもいるタイプだ。

 だがエルの容姿はハリウッドスター顔負けだ。見惚れるなと言うのは無理があった。

「エルネスティーネ・ハルシュヴァイカー捜査官と、リナリス・アッシュベリー捜査官だ。君は彼女達の監視下で捜査を行ってもらう」

 ビルが告げ、彼の視線を受けたワイアットはハッと我に返り、慌てて手を差し出した。

「失礼、ワイアット・バーンレイドです」

 しかし手を差し出されたエルは腕を組んだまま、相手の握手を無視し、ただ冷ややかな視線を彼に送っていた。軽蔑は瞭然であり、さすがにワイアットも気後れする。差し出されたままの手を、気を使ったリナリスが代わりに握手し微笑んだ。

「よろしく、バーンレイド元警部補」

 そのフォローを受けて、ワイアットはホッとしながら告げた。

「どうぞワイアットと。バーンレイドだと紛らわしい」

「了解よ、ワイアット」

「こんな美人達と仕事が出来るなんて、光栄だ」

 興奮でつい調子に乗ってしまったように、ワイアットがそんなキザったらしい台詞を吐いていた。ビルが呆れたように眉を顰め、エルが露骨に嫌そうに顔を背け、リナリスも手を離しながら困ったように微笑む。『あなた、いま地雷を踏んだわよ』――と告げるように。

「二人とも若いが、優秀な捜査官だ。この凶悪犯罪課で。その意味はわかるな?」

 ビルは威圧するように、その耳にささやいていた。

「長生きしたければ、侮らない方がいい」

 そうして彼の肩をポンと叩き、ビルは自分のオフィスへと去っていった。すっかり冷や水を浴びせかけられたワイアットは、彼の背中と女性捜査官の二人を交互に見てから、気を引き締めるように背筋を伸ばした。

「……了解。無駄口は慎むよ」

「そこまで厳しく言わないわ。ただ捜査なんだから、あんまり浮かれないでほしいだけよ。――ね、エル?」

「……そうだな」

 エルは不機嫌そうにしつつも、同意して頷く。彼女の不機嫌な理由をようやく察し、ワイアットは再び手を差し出した。

「俺もジルグムを捕まえたいという目的は一緒だ。足を引っ張らないと約束するよ」

「……」

 エルは少し時間を置いたが、今度は握手に応じていた。その手の柔らかな感触にワイアットの鼓動は早まったが、ついさっき反省したばかりなので、平静な態度を努めた。

「お、さっそく仲良くやってるな」

 オズワルドと共に現れたゼルギウスがからかうように告げ、二人は彼らの傍を通過しエレベーターへと向かう。エルは咄嗟に握手していた手を引き戻し、彼らに尋ねた。

「ゼル、オズ、二人は別の事件の捜査なのか?」

「そういうことだ。ま、そいつのおもりは頼んだぜ」

「せいぜい活躍しろよ、若いの」

 オズワルドが背を向けたまま手を振ってワイアットへの激励を送っていた。声変わり前の女の子のような声で。少年捜査官の秘密を知らないワイアットが面食らい、一方エルは別のことを気にかけていた。

 ジルグムの事件を差し置いて優先する捜査とはいったい何なのか――疑問はあるものの、その件は先輩捜査官達に任せ、エルはまず自分の請け負った事件に集中することにした。

「ワイアット、お前は五年前の事件で知りえた情報をレポートに纏めてくれ。こちらの情報と照らし合わせる」

「その前に、俺も現場を見せてもらいたいんだが――」

「必要ない。現場検証は既に終えている。知りたいなら報告書を読め。レポートを書き上げてからな」

 ぴしゃりと告げ、エルは資料室へと淡々とした足取りで去っていった。その背中を呆気にとられながら見送ったワイアットは、その隣で面白がるような顔をしているリナリスに、ややあってから気付いた。

「嫌われてるね」

「あの子、特に軟派な男が大嫌いなの」

「そういう相手に遊ばれたとか?」

「あら、あまり感心しない勘繰りね」

「すまない、口下手なもので」

 ワイアットが悪びれた風もなく告げ、リナリスはクスクスと笑ってから教えた。

「見ての通り、エルは超絶美人だから。道をただ歩いてただけでも見知らぬ人に声をかけられるのね。中にはプライベートを邪魔する人もいて、うんざりしてるんでしょう」

「じゃあ恋人はいない?」

「何、あなたも狙ってるの?」

「そんなつもりじゃ……純粋な好奇心だよ」

 下手な言い訳に、リナリスは素っ気無く返す。

「そんなの本人に訊いてみたら?」

「それはちょっと……」

「じゃあ諦めて仕事して。――私の隣の机を使っていいわ」

「ああ、うん。――ちなみに君は?」

 その問いかけに、リナリスは輝くような笑顔を浮かべて左手を頬の近くに上げる。

 薬指に輝くのはプラチナのリング。おそらくは新婚なのだろう。まだ真新しい。

「そうでなくても、私を二番手と見る人はお断り」

 きっぱり跳ね除けてから、リナリスは自分のデスクに座ってパソコンを操作し始めた。ワイアットは小さく溜息をつき、ぼそりと呟く。

「世知辛いな……」


 特別捜査官と言っても部屋の広さには限りがあるため、現場担当官や部門長でもない限り個室は与えられていない。一つの広い部屋にいくつもの机が並べられ、多くの職員がそこで忙しなく行き来しながら働いている。その点は普通の会社と変わらない。

 その一角でエルは過去の事件の資料を入念にチェックし、まずはジルグムの人物像について調べ上げていた。今回の事件が、過去のものと傾向が異なるのは一目瞭然ではあったが、その相違がどうして引き起こされたものか、資料を調べながら並列して思考していた。

 そうして集中していたため、彼女は目前に遮る物が現れるまで、接近する人物に気付かなかった。

「どうですか、切り裂き魔の弟君は?」

 質問と共にロックスが差し出したコーヒーのカップを、エルは微笑んで受け取った。ガードが硬く男嫌いと思われがちな彼女ではあったが、純粋に同僚として接してくれる相手には物腰も柔らかい。ついでに言えば、ロックスが入れたコーヒーはどういうカラクリか、他のメンバーの誰が作った物よりも美味しく、その差し入れが嬉しかったというのもある。

「ありがとうロックス。――まだ始まったばかりだ、今のところは何とも。役に立つかどうかはわからないよ」

「また、うちのリーダーも大胆なことをしますねぇ」

「確かに。――それで、世間話をしに?」

「そういうのが嫌いなのは知ってますよ。――これを見て」

 ロックスは微笑んで資料ファイルの一つをエルの机に置いた。必要な資料は彼を叩けばいくらでも出てくる、というのがオフィス内での定番のジョークであった。彼が有能である証明でもある。

 その資料は、一見してエルの担当する事件とはまるで別件のものであった。

「先月末、軍が開発中の新兵器が奪われた事件は知ってますね?」

「どうあっても、まるで使えないはずのガラクタが奪われたというアレか」

 資料は軍の兵器開発部門が作り上げた魔導レールガン――〝チューバ・ミルム〟に関してであった。魔力で硬化コーティングされた弾丸を電磁気の反発力で打ち出すという最新技術の兵器なのだが、これにチャージする魔力のバランスがあまりに複雑で、砲身を安定させるために肥大化を余儀なくされ、体積が増すことで更に強化するための魔力が必要となり――悪循環を繰り返した結果、発射に必要な魔力量が計算上、〝ユグドラシル〟が総出力でも三〇分の充填時間が必要なほどの馬鹿げた数値になったのだ。

〝ユグドラシル〟の魔力は合衆国のみならず、北、中央、南アメリカの分――世界の三分の一を賄っている。すなわち最悪なまでに燃費の悪く、実質発射など不可能な兵器であった。むしろ完成直前まで、こんな出来損ないの開発が進められたのが不思議なぐらいの代物である。解体処分にも費用が掛かるため、軍の倉庫で半ば放置されていたのだが、それがどういうわけか最近、テロリスト達によって盗まれたらしいのだ。

「まあ改造次第では通常兵器として使えるかもしれません。そして仮にもアメリカ軍基地から、テロリストの手に渡った兵器が被害を出せば、大問題になるでしょう」

「ペンタゴンのお偉いさんは今頃カンカンだろう」

「頭にポットを置けば、すぐに湯が沸くかと」

「省エネだな」

 エルはコーヒーを一口飲み、ロックスは資料を捲った。そこには写真が挟まれていた。

 所々塗装が剥がれて色落ちしたピックアップトラック。その車内に映るのは褐色肌の男達だった。

「監視カメラの映像から、兵器を盗み出したのは中東系の男達であることが判明しました。そしてCIA、NSA、あらゆる諜報機関が情報を洗い、容疑者として上げられたのがこの男、サマド・サフルメドです」

 ロックスがコツンと指で叩いたのは助手席の男――頭にターバンを巻き、たっぷりの髭を蓄えた中年男性だ。険しい表情でどこかを遠くを睨んでいる。

「過激派か?」

「ええ。中東全域に潜むテロ組織『真なる者』。主に反政府活動とアメリカ及びヨーロッパ各地へのテロ行為。そのリーダーである彼は既に南アメリカ経由で合衆国入りを果たしているという情報です」

「既に大問題じゃないか」

「その通り。だからこそゼルギウスとオズワルドも捜査に当たっています」

 アメリカと一部中東国との確執は実に一世紀以上前から続いている。イギリスの無責任な口約束を皮切りに、各国が中東情勢に介入し、かの地に致命的な混乱を招いた。

 当時のアメリカは正義の味方を気取って自国の観点から正しく彼らを導こうとした。

 彼らの歴史と文化を正しく理解しないままに干渉し、結果として中東は更なる混乱が生じ、アメリカを憎む過激派組織が急増――その負債は孫の代である彼女達が払わされていた。今後その関係がどのように改善されるのか、悪化するのかはわからない。それをどうにかするのは政治家の仕事である。たとえ情勢がどのように移り変わろうと、捜査官であるエル達の使命は、全力でテロ行為から国民を守り続けることだけだった。

「やつらの狙いは――」

 ロックスの話に興味を引かれていたエルは、そこでハッと我に返った。

「いや、待て。私の担当じゃないんだが?」

「実はそれが、そうでもなくて。――こっちの写真を見てください」

 促されるまま、エルは別の写真に目を移した。今度は車ではなく、礼拝堂手前の写真だ。

 男達が五人ほど映っている。そのうち一人はサマドであった。

「二年前に中東でCIA局員が撮影した写真です。こっちがサマド。そしてこっちの彼、かなり日焼けしていますが、まず間違いなく白人でしょう。今の今まで、一体誰なのかわかりませんでしたが……」

「まさか……?」

「ワイアットの髪を伸ばし、髭を付け足すと、丁度こんな感じじゃないですかね?」

 エルは顔をあげ、少し離れた場所で報告書を作製しているワイアットに目を向ける。

 この問答の意味がようやく見えてきた。

 ロックスは既に自身で結論を出しながらも、エルに自力でそこへ導こうとしていた。

「ですが当然、ワイアットじゃない――だとすれば?」

 問われるまでもない――ジルグム・バーンレイドだ。彼は死んだはずの五年間、中東で過ごしていたのだ。今まで死んだと思われていた以上、誰も彼である可能性は考えなかったため、今まで発覚しなかったのだ。

 ジルグムがサマドと共に行動しているということは――

「二つの事件に繋がりがある可能性が高い、ということか」

 生徒の回答に満足する教師のような笑みを浮かべ、ロックスは机を軽く叩いた。

「では、その線で捜査を進めるため、さっそく会議を始めましょう」

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