応援コメント

第42話 勇者の最期」への応援コメント

  • 拝読しました!

    人間への絶望(憎悪)と希望(勇気)の象徴のぶつかり合い。光は闇に呑まれる? というところからの「人を愛する護り手」ラルフの逆転劇は見事でした。しかしなお魔王滅びず、その正体は「原初の勇者」トライズ。

    魔王の存在あればこそ戦乱は抑制されていたという現実、魔王という狡兎を狩るため、走狗として利用されたトライズの絶望と無念。このくだりは非常に身を切るような思いで読ませていただきました。哀しくも熱い。

    魔王トライズと勇者ラルフ、真打ちの最終決戦、一騎打ち。二人の命がけの問答、心の交感の筆致、お見事でした。トライズもまた呪縛にとらわれた弱く可愛そうな人物。

    ラルフ消滅。次回最終話、きっと勇者の帰還があることを信じて、今回はこれにて。最初ブチ切れた奇人・変人によるドタバタストーリーだと思って読み始めたこの作品が、ここまで心を捕らえる作品になるとは! 本当に、人物心理の活写が素晴らしいです!

    作者からの返信

     今回もお読み下さりありがとうございます!!
     『勇者』とは本来、役目を終えれば用済みとなってしまう虚しいもの。
     『魔王』とは邪悪の権化でありながら、それを邪悪と決めているのは人間の都合。力の源は人の悲しみや憎しみ。
     ならば、『人間』とは?

     そんな世間的な観念を自分なりに拡大解釈してこうなりました。

     『魔王』は人の心から生まれ、かつての『勇者』は世界を救う為のシステムとして組み込まれ、やがて争い合う。人間は『勇者』や『魔王』が無かろうとその命運は翳ったまま……そんな哀歌となりました。

     残された人間たちは何を思うのか。世界救済システムとしての『勇者』は永遠に消え去った世界でのラルフに救いはあるのか。

     是非最後までご確認くださいませ!