アーダルト・ドエロスキーの格言

金の使い方

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「金（かね）は使ってこそ意味がある。貯めるより投資するように使うべきだ。大切にいつまでも貯めていては、活きることがない。また無駄に使っても、その時は気持ちよくなれるだろうが、最後に虚しさが残る。それはあたかも、子供を作らない自慰行為のようなものなのだ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

■解説

　この格言も、文学とは関係ない内容である。

　金の使い方に関して語っているが、最後の文から自分の人生についてアーダルトが愁いでいることが伝わってくる。

　この格言、本当の趣旨は「使えるものは有効に使え」ということなのかもしれない。能力でもなんでも、もっているだけでは「ない」のと一緒である。無駄遣いをしても同じ事だ。

　本当に大事なのは、「能力を持っていること」ではなく、「能力を有効に使えること」なのかもしれない。

　彼は、そう言いたかったのだろう。

　ちなみに、彼はこの格言で「金と精液」をひっかけているようだ。

　彼は別の文章で、「自分の能力をあげたり、生活を豊かにするための資本（能力）」を素晴らしい物として「金精（ゴールド・スピリット）」（英語訳）と呼んでいた。

　弟子に対しても、「君の金精（ゴールド・スピリット）は輝いている」と褒めることがあったという。

　知らない者が見れば一見、きれいな字面だが、語源が「金（かね）と精液」だとしたら、知った途端に言われた方は驚愕することだろう。

　彼の発想力は、まったくもって常軌を逸する。

　ワンダホー！

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※20話のお詫び：https://twitter.com/Guym_Haga/status/908280147010142208

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――