飛ぶ才能 跳ぶ才能

『えっと 疑問なんだけど さっきから魔法陣を展開して使ってるのも君ってことでいいの?』

『そうですね マスターが展開 といった時点で検索が始まって その後の言葉でそれにあった魔法陣を私が選択して発動していますね 先ほどは水よ来たれ といったので水魔法であるスプラッシュを選択しました』

『自分の真上に発動したのは?』

『場所指定がなされてなかったので其処に発動しました』


随分とお茶目なのかネタなのかわからないけど ある意味それだけ良ければ助かるなあ 探す必要がないってことなんだし…


「よし 準備できたわよ とりあえず学園に飛ばないことには寒いだろうけど我慢してね?」


「あ、うん ありがとう えっと…」


「リア・ミリアルド リアでいいわ 正直貴女とか言われたら嫌だし」

(しかしこの子 さっき炎魔法を使ってたのに あんだけの規模の水魔法も使えるの…? 凄い魔力を秘めてるってことだし 貴族かなんかで魔法を習ってたりしたのかな? でもさっき 最近魔力が目覚めたとか言ってたのよねえ)


「わかった リアさん 宜しくね」


「…」

(とりあえず学園で編入試験を受けさせたいけど私の家じゃ無理だし…)


「リアさん?」


「あ、ごめんね ちょっと考え事 んじゃ跳ぶわよ 我が望みし場所へ飛び立たん『テレポーテーション』」


自分が瞬きをした と思ったときにはあの山奥から町の中へと転移していたようでやけにうるさい喧噪の声が自分の耳に入ってきた


「えっとリアさん…? 何か今日ってあるんですか やけに騒がしいというか…」


「うーんっと 今日は確か ギルドバトルがあったはずだけど… 意外に盛り上がってるわね」


騒がしい理由はギルドバトルという催しが行われているからだと思い身に行きたいとリアにいったものの「その前に服なんとかしなきゃ」と言われてしまい気づく


「あっ 自分お金持ってない…」


「えっ そうだったの? てっきり正反対属性の魔法使えてるんだから貴族かなんかの子供だと思ってたけど…」


「うん っていうか貴族の子だったりしたらあんな森で一人でいたりしないと思うけど… ましてやワイルドボアだっけ? そんながいる森に」


「そういえば…そうね まあワイルドボアの依頼は失敗扱いかもしれないけどまあ 君を助けたんだしいいか って名前聞いてなかったわね」


「ごめんなさい えっと 皇翔です」


「スメラギカケル ね 分かったわ とりあえず 先に知り合いの店で服かわかしましょっか」


知り合いの店で服乾かすってどういう店…? 便利屋しか思い浮かびやしないんだけど


「分かりました」


「じゃ飛ぶからつかまってなさい…って なんか手つなぐと変だけど…まあいっか」


いや自分も恥ずかしいですから 気にしないでください


「さてと 風よ 天を駆ける翼を作りたまえ 『レビテーション』」


「やっぱ魔法ってすごいんだなあ… 生身で空まで飛べるって…」


「まあこの魔法は中級魔法だけどバランスを考えたら上級レベルのコントロールが必要ね さてと 一気に行くよー」


語尾に音符マークでもつくんじゃないのか? ってペースで飛んでいくリアさん





…なぜか自分を置いて


まあ10秒後にすぐ戻ってきて「メインの要件であるスメラギ君を置いて行っちゃった」って苦笑いしながら戻ってきたんだけどね

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