第30話 妹? 8
”ドカンッ”
俺が無我夢中でページを捲っていると突然、写真集が爆発し大文字ヌード写真集は木っ端みじんになる。
「おわッ!?」「キャッ!?」
俺と大文字さんは悲鳴を上げる。写真集は粉々になり大文字さんのヌード写真を拝むことはできなくなった。
「お兄様、大丈夫ですか?」
大文字は自分のことなどお構いなしに俺を気遣ってくれた。
「ああ大丈夫だよ。そっちは?」
俺は自分に目立った負傷がなことを確認して彼女の外傷を窺う。
「いえ、私は何ともございません。それにしても一体何が?」
どうやら彼女に怪我はないようだ。しかし不思議である。写真集に細工したのは彼女のはずなのに写真集が爆発することを知っていなかった。それに写真集が木っ端みじんになるほどの爆発だったのに俺たちに目立った外傷は見受けられない。
俺は状況を冷静に分析し始める。俺はコナンドイルが作ったホームズ並みの推理力を発揮して、まるで今から推理サスペンスが始まるかのような雰囲気を漂わせる。
「あっ!」
そして俺は写真集隠された大事なものを思い出す。
「なんてこった! 俺と春香の幼いころのラブラブツーショット写真が写真集の中に入っていたのに!!」
マイフェイバリットオ〇ニーガールの幼女春香写真がなくなってしまった。俺はこれから何を糧に生きていけばいいんだ……。
俺がその場で両手を着き、床に項垂れていると大文字が「あの、お兄様……」と言って懐ろ……谷間から写真を取り出す。
「これは!」
彼女が取り出したそれは、俺が失ったと思っていたラブラブツーショット写真であった。
「でかした! でもどうしてこれだけ取り出していたんだ?」
俺は大文字に都合よく取り出されていた写真について聞いてみた。だってわざわざおっぱい隠し持ってたんだよ。絶対怪しいよ。
「はい。こちらの写真だけ切り貼りされていませんでしたので”大事なものなのでは”と思いこちらで保管させていただきました。それにお兄様の幼い時の写真……ハァ、ハァ……。」
(うわぁ……気持ちわりー。今日イチでキモイ顔してるわ……)
俺は顔をだらしなく歪ませ今にも写真にしゃぶり付きそうな彼女に写真を返してもらうことにする。この際おっぱいに隠していたことはどうでもいい。
「うん、ありがとね、四季ちゃん。大事に持っていてくれたんだね。じゃあ返してくれるかな?」
俺は子供をあやすように彼女に返却を促した。どうせ下の名前で”ちゃん”付けしたらホイホイ言うこと聞くんだろ? はーチョロインチョロイン。
しかし、大文字は俺の精神攻撃に「いやですはお兄様。”四季ちゃん”だなんて。(ポッ)」と言って返そうとしない。
俺は(はよ返せやゴラァ!)と思いながらも「あはは」と乾いた笑いを出しながら彼女の持つ写真に手を伸ばす。
「むっ、いけませんわお兄様。これは私のです」
そう言って彼女は俺から写真を遠ざける。ふざけるなどう見ても俺のだろうが可笑しなこと言ってっといてこますぞ!
俺は男だったら必ずぶっ飛ばしていただろうが、彼女にそのようなことができず、優しく語り掛ける。
「何を言っているんだい? それは俺のだろ? あんまり可笑しなことを言われると俺の血管が切れちゃうよ」
俺は笑顔を絶やさずに会話を試みるがどうやら会話の意味はないらしい。彼女は顔をブンブンと横に振り口を開く。
「いいえ、これはたまたま私が見つけたものです決してお兄様の物ではございません」
どうやらこいつは嘘つきらしい。
「嘘をつくな! お前さっき写真集から取り出しったいてただろうが!」
俺が彼女の計画性のない嘘に指摘を入れる。すると彼女は「く、抜かりましたわ!」と身構える。この子はどうして指摘されたらすぐ白状してしまうのか。バカだから仕方ないか。
「仕方ありません。どうしても返して欲しければ私と結婚して下さい。出ないとこの写真、永久に私のここで保管させていただきます」
そう言って彼女は自分の谷間に写真を収納する。彼女の世迷言に俺は堪らず叫ぶ。
「知るかそんなこと! お前の戯言は聞き飽きた。そっちがその気ならこっちにだって考えがある」
俺はそう言うと彼女の谷間に手を突っ込む。
「いやん、お兄様」
雑音を他所に俺は谷間に挟まれた写真を取り出す。
「ははは、返してもらったから」
そう言って腕を引き戻そうとしたところを両手で掴まれる。
「待ってください、お兄様! わかりましたわ、妾……そう妾でどうでしょう。それでしたらお兄様も納得していただけますでしょう?」
そう言って彼女は俺に妥協案を提示する。随分な妥協だな。明らかに裏があるだろ。
「いやいや、今日いきなり現れた”自称”妹を妾なんかにしたらメチャクチャ後ろめたいから! て言うか妾自体がダメだから!」
「自称ではございま、あっ……!」
「おわっ、とっ……!」
俺と大文字が一悶着していると大文字はバランスを崩し後方に倒れ込む。俺は彼女の後頭部に手を回し、一緒に倒れ込む。
「大丈夫か?」
俺が彼女にそう聞くと彼女は「はい……大丈夫ですお兄様。あっ」と言って言葉を続ける。
「私たちは、やはりここで添い遂げるのですね」
「お前、まだ言うか! って、すまん……」
言っている途中で気づいた。俺の手が大門寺の胸を鷲掴みにしていた。俺は咄嗟に手を離してしまったが2、3回ほど揉んでおくべきだった。後悔先に立たず、過ぎたことは仕方ない。俺は初心な自分に後悔しつつ、次、女性の胸を鷲掴みにしたときは全力で揉もうと誓った。
結婚前に浮気をしてもいいですか? コハビ @kohabi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。結婚前に浮気をしてもいいですか?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます