第2話 門番さんは子だくさん
「魔王〜!魔王〜!」
って朝一に門番Aさんが私のところに血相変えてやって来たんです。
あ、ちなみにこのAさん去年4人目の子供が生まれて
「魔王、社宅がちょっと手狭なんですけどなんとかなりません?」
って言ってきたんで思い切って新しい社宅建てたんです。
奥さんも凄く喜んでくれたし、何より3人の子どもたちが「新しい家、僕たち自分の部屋があるんだよ!」って私の腕掴んで離さないくらいはしゃいでる姿見ると、ローン組んででも新しくして良かったなぁって思えましたね。
で、その門番Aさんが言うんです。
「魔王!勇者が来ました」
って。
驚きましたね。
だってそんな勇者が活動してたら部下から報告あるはずなのに全然なかったんで。
「なんでも相談があるって、魔王に」
相談?私に?なんの?
「どうします?お会いになります?」
「じゃ、通してもらえます?一応お茶とお菓子用意してってサディちゃんに伝えてもらってもいいかな?」
サディちゃんは一応私の右腕的存在の吸血鬼なんですけど、ここしばらく戦闘なんてないのでほぼ秘書みたいなことしてもらってる女の子です。
「わかりました」
「あ、末っ子は元気ですか?」
「はい!もう元気一杯でこないだウチのやつが電撃モロに食らってました笑」
「あらあら笑、それは災難でしたね。でも元気に育ってるみたいで安心しました。今度また遊びに連れて来てください」
「ありがとうございます」
門番Aさんは深々とお辞儀をして出ていった。
さて、久々の勇者だからどうすればいいか忘れちゃったな笑。
「ふっふっふ、よく来たな」
でいくか。それとも
「遅かったな、勇者よ」
にしようかな。
いやぁ〜、ドキドキするなぁ。
私ね、400年魔王してきて色んな勇者見てきましたけど、あんな勇者と会ったのは初めてですよ。
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