第02話『入試――二次試験開始(ゲームスタート)』
体が熱い、まるで全身が燃えているかのようだ。
星も見えないような真っ暗な夜。僕は鉄の鎧をまとい、目の前に立つ白い騎士と対峙していた。
奴の目元はヘルメット・バイザーによって隠れているためよくわからない。
しかしそれはとても恐ろしくとても危険なもの。敵である。
剣を振るい、こちらも負けじと刀を振るう。
互いの刃がぶつかり合い、金属音とともに小さく火花が光る。
「はぁはぁ」
こちらは限界が近い。だがそれは相手も同じようで肩で息をしているのが目に見える。
戦いももう終わり。そう思った時、彼のそばにもう一人灰色の騎士が現れる。
そして奴は何かを運んできた。
何を?
しかしそれを考える余裕はなく、僕は背後から迫ってくるもう一人の灰色の騎士の攻撃をかわす。
上、右、左、素早く振るわれる敵の剣を全身の痛みに耐えつつも避けて、時には刀で弾く。
「あぁっ!!」
口を開けば喉から出るのは苦痛の声、まともに話すことはできはしない。
後ろの奴らは何をしているのか?
その一つもまともに聞けはしない。
身体の痛みで最早自分の身体はまともに動きはしない。
しかし身にまとう白銀の鎧がそれを許してはくれない。
戦えと戦えと迫りくる敵を撃ち滅ぼせと頭の中に語りかけてくる。
僕は無理矢理に身体を動かして敵を蹴り飛ばす。
視線を白い騎士に移したその瞬間、彼の周りに浮かぶのは大きな羽。
正確には羽のようなもの。人の腕ほどはありそうなおおきな鉄の羽。
白い騎士はそれを操って襲ってくる。
僕はその羽を落とそうと試みる。しかし素早く飛び回るそれに身体が追い付かない。
どうしても対応が遅れてしまう。
そして羽の先が光り輝き、放たれた光線は僕の四肢を打ち抜く。
ぐらりと足の力が抜け、膝を突く。
そして動きを封じられた僕の視界は羽から放たれた光に包まれた。
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