ショート

ふと、懐かしい匂いが横を通る。

その瞬間涙が溢れだし、止まらなくなる。


ありえない。この匂いがあるはずがない。


そう頭で考えても心は期待を抱いてしまう。

咄嗟に振り向き、横を通った匂いを視線で追いかける。


あの人と違う姿が、眼に入る。


「馬鹿だなぁ、わたし」


そっと、眼を閉じる。

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短編 シキ @yukishiro8813

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