第4話

朝、起きると、頭ががんがんした。


どうして下着をつけていないのか、

内ももに乾いた血がこびりついているのか、


頭だけじゃなくて

全身が裂かれたみたいにひりひりずきずき痛むのか、

私にはわからなかった。


唇の端が切れていて、口の中に変な味がして、生臭くて、

気持ち悪かった。


昨日は確か、空介の家に、海外ドラマの「ナンバー9」を見に行った。

(璃々花たちは誘ったけど、これなかった)


そこには同じクラスの悦也くんと幹次くんがいて、

ジュースとお菓子、(たしかポテチとか、ポッキーだった)をすすめられて、

私はそれを食べて、、、。


それからあとは、記憶がない。


心細くなって

空介の顔が浮かんだ。


空介や悦也くんや幹次くんは、無事だろうか。


脳の奥底から、自分の声が響く。


「私たち、友達だよね」


昨夜、空介にそんなことを何回か言ったような気がする。。。




ここはどこなんだろう。


アスファルトの冷たい感覚。

体を起こして、ぼんやりと目の前に立っている建物を見た。


「伊藤産婦人クリニック」


と赤い文字の看板が見えた。


その言葉が、なにか嫌な想像を私にさせた。


まさか、そんなことあるわけない。


だって、空介は友達だもん。




けれど、私は起き上がると、コンビニを探して走り出した。


走ると、全身がズキズキひりひり痛んだ。


特に、口と胸と下半身が痛いのは、なぜなんだろう。


コンビニでトイレに入った。


とにかくおしっこをしてみよう。そう思った。


便座に座ったとたん、血に染まった、もろもろした何かが私の中から出てきた。


それはもともとポテトチップスだったものだった。


昨日、空介と、悦也くん、幹次くんと一緒に食べたお菓子の。

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