第12話

杉本健作氏の手紙は、こう続いている。


「見習い兵だった私の仕事は、中国人の孤児をボール遊びに誘って、仲良くなった

 ところで、空腹を抱える彼らをお菓子でおびき寄せ、部隊の病院施設、731院

 に連れ込むことでした。


 そうやって、連れ込んだ子どもたちを「消毒してあげる」と言って服を脱がせ、

 手術台に上げました。


 あとは、大人たちが麻酔を注射し、するすると生きたまま解剖して、すべての

 臓器を取り出しました。

 脳も例外ではありません。

 ごりごりごりと、糸のこぎりで頭蓋骨を切る音を、私は一生忘れられません。


 臓器や脳が生理食塩水、あるいはホルマリン液にすべて浸ってしまうと、

 私は外で、子どもの残骸を焼きました。


 記録写真を撮ること、

 死体を片付けること、そこまでが私の仕事でした。」

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