第6話 外出?
救急箱の入っているタンスの扉を開けるとそこには2箱の、母がよく使っていたマスクの箱があった。
母はおっとりした人だったのでよくケガをしていた。だから、うちの救急箱は充実しており、しかもこの部屋だけで3つも置いてある。
母のことを思い出して、また泣きそうになったが、俺はセンチメンタルになっている場合ではない。・・・ワクチンを開発出来れば一番良いのだが。
こんな状況で外に出るのは危険だろうか?でも、家の食料も尽きかけている。そう遠くないうちに出なければならない時が来るだろう。ならば、なるべく早いうちに・・・。
俺は変に見えることを自覚していながら、10枚ものマスクを重ね付けして護身用のナイフを手に持って外へ出た。
“愛”感染 都稀乃 泪 @ask-rain_of_sadness-2
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