第3話 謝罪会見
ほわほわと湯気を立てるカップラーメンを勢いよく啜りながら、テレビから聞こえてくる空虚な声に耳を傾けた。
「この度は誠に申し訳ございませんでした。被害者各位には心からお詫び申し上げたいと思っており…金銭で解決する問題ではないのですが、これくらいのことしか我々には出来ることがなく…」
「『発症区』はどうするおつもりですか?」
「閉鎖し、我々で消毒を行いたいと思っております」
俺にとってなんの意味も持た無いただただ空虚な単語の呂律。
「佐藤 愛さんについてお聞かせください」
「彼女は我が社の研究員の一員としてよく働いてくれました。ですから、今回のことは非常に残念なことだと思っており…」
“佐藤 愛”…。以前聞いたことのあるような名前。だけど、どこで聞いたのかは思い出せない…。
そして、なぜか俺の頭の中では『発症区』という言葉が、反芻され続けていた。
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