第73話 手袋を拾え

「セクシー・ド・ヨンゲーン参上!」


 ♪ 豚ではないさ!

 ♪ 人でもないさ!

 ♪ それはセクシー・ド・ヨンゲーン!


「もう踊るな、踊るなよ。セクシー・ド・ヨンゲーンのたいそうは、心の臓に悪いからな」


 そんな噂が流れているのか。

 もっとファンシーに生きたいな。

 漢のロマンはファンシーに通ずるのさ。


「さあ、決闘だ。万が一、決闘でたおされた場合でも文句は出すな。そう誓え」

「何をぶひぶひとうるさい。スマイルスライムに後々のことは託してある」


「文句とはそれだ」

「うるさい! ああ、もうさようなこと聞きとうないわ。ネコーコ・ハルミ姫をペット猫ちゃんにする以外要らない!」


「わがままは十分聞いた。さあ、受諾の意。私のチョキの手袋を拾え」

「……」


 サスケヒゲゾー伯爵の足元を指して促したが、拾おうとはしない。

 これでは、姫を賭けての死闘は繰り広げられない。

 なにせ、この世界では、公式魔法カップ以外で敵を殺してしまうと、損害賠償が生じてしまうため、ファンシーなんて呑気な生き方をしていられない。


「不遜だな」

「お互いさまだ」


 拾えの誘いを再度するが、首を縦に振らない。


「闘うとは、一人ではできぬ。セクシー・ド・ヨンゲーンには、闘う相手がいる。ならば、受けて立て。それが、漢だ」

「では。……漢の仲間入りをするか。丸焼きを食べたかったが、楽しみは後に残しておく」


 ――手袋を拾った!


 >分岐<


 んー。

 もう!

 いいところでー。

 作者の意地悪ー。

 だって、文字数の問題とか、この頃分岐生活にメリハリを持たせないといけないなとか思ってのことだよ。

 はいはい、さくさく選択してね。

 川へ洗濯に行かなくていいからね。

 ハイパー若返り、見たくないから……。

 何のこっちゃ。


 A 手袋を無視する。

   第74話へ。

   https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884482297


 B 手袋を拾う。

   第75話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884483106

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