第70話 お歳暮には早い

「サスケヒゲゾー伯爵のクリスタ―ル宮殿、入場券をくれたが、お歳暮にはちょいと早いのではないかい?」

 金の栞状のものをくれた。

 中には、SHHのイニシャル風家紋がある。

 見せびらかしたいーのなのかな。


「ちなみに、有人改札か?」

「普通にそうだが。かわいいスライムに頼んである。強いぞ」

 本当は、伯爵とはいえ、けちんぼだから賃金が安くて雇った。


「それ、スマイルスライムだろ? にやにやしやがって」

「笑顔がかわいいと思わないのか」

 伯爵の前では、姫は泣いてばかりだろう。

 ネコーコ・ハルミ姫に笑顔になって貰うようにするにはどうしたらよいのか。


「あれは、アルカイックスマイルだよ。マチエールもつかみどころもない、すっべすべ」

「なんのこっちゃ?」

 サルバトール・ダレみたいな髭をして、そんなことも分からないのか。

 いや、知ろうともしないのだな。


「本を読め。読書量でコンテストにけじめがつく」


「変な話だな。セクシー・ド・ヨンゲーンは、時折、神のような存在と話をするものだな」


 私ー。

 作者は、神なりよー。

 ふほほほほほ。


「さて、油断したところで、入場券が魔法具と分からなかったようだな」

「なぬ? これに仕掛けがあるだと?」


 入場券がビシャーと光り、セクシー・ド・ヨンゲーンの体が包まれてしまったのだ。


 ぶひ。


 セクシー・ド・ヨンゲーンは、ここで終わるのか。

 豚となってしまって、どうやって生きて行くのか……。

 道を切り開かなければ……!


 >進め<


 □ 豚の丸焼きぶー

   第71話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884475580

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る