第66話 ひどーいの

 伯爵から、ヤジが飛んで来た。


「妬かないでくださいよだと? 姫を養う金も力もないくせに。生意気な」


 お、妬いているのが分かるのか、サスケヒゲゾー伯爵。

 それに、ぶひぶひ語も分かってくれるようだな。

 決め台詞の心の豚声が聞こえたようだ。

 これなら、対等に渡って行けるかも知れないな。 


「おい、クリスタール宮殿に向かうぞ」


 再び金の魔法の杖を使って、ネコーコ・ハルミ姫を鳥かごごと、魔法陣でふいっと寄せた。


「あのシルエットがもう近い。我が、クリスタ―ル宮殿には、パーティーの支度をさせてある。元々、豚には勝つ自信があったからな」


 まあ、ひどーいの。

 セクシー・ド・ヨンゲーンは、そうそう負けなーいの。

 もう、愛のベーゼを貰った時点で勝ちだろう。

 いや、魔法で勝ってないか。


「四元豚ちゃん! お願い、助けて」


 ぶひ?

 ああ、ネコーコ・ハルミ姫!

 ぐったりしてどうなさったのですか!

 うおおおお!

 のこのこ歩いている場合ではない!

 早く、姫を助けないと……!


 Ψ ぶひぶひぶひ……。


 ダメだ。

 呪文は唱えられない。

 どうすればいい?

 どうすれば、いいんだー!


 ――その時、魔法力がかつてない程に増大になるのを感じた。


 ΨΨ ……yxes!

 ΨΨ ed……!

 ΨΨ nēgnoy!


 ΨΨ yxes ed nēgnoy!

 ΨΨ ah!


「きゃあああ!」


 >分岐<


 A 人豚になった。

   第72話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884477537


 B 人間になった。

   第78話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884485208

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