第53話 聖魔法剣

「こ、これが……」

「そう、聖魔法剣だ……」


「装飾は何もないに等しいが、まがまがしさを払拭する力を感じる。確かなものだ」

「豚にも分かるか。褒めてつかわそう」


「セクシー・ド・ヨンゲーンは、豚にあらず人にあらず」

「では、なんぞ」


「考える葦である」

「ふーはっはは。これは面白い。豚にも教養という真珠があるのだな」


「無駄なものではなかろう」

「悪かったさ。さあ、お前さんのモノにコード変更をしておこう。トルネード・スェクスィーモード!」


 チャチャチャチャチャチャ……。


「さあ、ダンスで気が合ったら、この剣は君のモノ! バッチーンとウインクを入れておこう」

「ウインク要らないよ! セクシー・ド・ヨンゲーンには、心に決めた方がおるの」


 チャチャチャチャチャチャ……。


「来た来た来た来た……! ほいさー!」


 ♪ セクシー・ド・ヨンゲーン!

 ♪ 吾輩はセクシー・ド・ヨンゲーン!

 ♪ セクシー・ド・ヨンゲーン!

 ♪ 朝食はパンにイチジクジャム派!


「曲と歌が合ってないよ! トルネードはすねちゃうよ」

「いや、でも、聖魔法剣はもう直ぐ我が手に落ちます」


 ♪ セクシー・ド・ヨンゲーン!

 ♪ 吾輩はセクシー・ド・ヨンゲーン!

 ♪ セクシー・ド・ヨンゲーン!

 ♪ 朝食はパンにミックスジャム派!


 ――スェクスィー・スパーク!


「おおおおお! これは、驚いた。地味だった剣が、きらきらと宝石を身にまとった! セクシーダンスって、きくのな」

「何でもええわー!」

 トルネードは呆れて、その体で巻き巻きしながら柄に名前を彫った。


「これ、俺の名前ではないぞ」

「しかし、私は、本名しか書かないよ」


 一つの謎を抱えたまま、持ち主はセクシー・ド・ヨンゲーンとなった。

 この剣は、今後も活躍するはず……。

 旅は漢を成長させてくれるものだ。

 セクシー・ド・ヨンゲーンももれなくそうであって欲しいと作者は願う。


 >進め<


 □ネコーコ・ハルミ姫が心配だ。

  第25話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884231792

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る